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浜田剛史氏 試合をやめるのは世界王者として恥ずかしい

[ 2023年1月7日 04:30 ]

プロボクシング・IBF世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦   同級5位・重岡銀次朗≪無判定試合≫王者ダニエル・バラダレス ( 2023年1月6日    エディオンアリーナ大阪 )

<ボクシングIBF世界ミニマム級TM ダニエル・バラダレス×重岡銀次朗>3R、両者偶然のバッティングによりバラダレスのダメージがひどく待機する重岡 (撮影・後藤正志)
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 【浜田剛史の目】私も現役時代、ローブローで「失格」とされた試合が、正当なボディーへのパンチと認められ「無効試合」となったことを経験している。当時は試合数に数えなかったが、今ではこの日のような内容でも試合として認めるのは、日本であまり聞かない「無判定」という結論とともに、近年の流れと感じる。

 重岡の試合運びは良く、私は1、2回とも10―9とつけた。2回に右ストレートをもらう場面はあったが、ケロリとして打ち返していた。踏み込み方も良く、パンチ力もパンチの精度も上で、このままならダウンを取れそうと感じていた直後のアクシデントだった。

 バッティングでは通常、当てられる方のダメージが大きく、頭と顔では顔が当たった選手の方が痛い。だが、今回のケースでは頭をぶつけていったバラダレスの方が試合続行を諦めている。
 故意かどうかはともかく、これで試合をやめてしまうのは世界王者として恥ずかしい。気の毒な重岡には「頭もパンチ」を肝に銘じて次は気をつけろと言うしかないが、あの程度のバッティングで世界戦が続行不可能になるようではボクシングのイメージが悪くなってしまう。(元WBC世界スーパーライト級王者)

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