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谷口将隆 地元関西でまさかの2回TKO陥落…1回手応えも「気がついたら倒されていた」

[ 2023年1月7日 04:30 ]

WBO世界ミニマム級タイトルマッチ   ●王者 谷口将隆《2回TKO》同級2位 メルビン・ジェルサエム〇 ( 2023年1月6日    エディオンアリーナ大阪 )

ダウンを奪われて足元がおぼつかない谷口(撮影・後藤正志)
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 WBO世界ミニマム級王者・谷口将隆(28=ワタナベ)は同級2位メルビン・ジェルサエム(28=フィリピン)に2回TKOで敗れ王座から陥落した。節目のプロ20戦目だったが、技術と強打を兼ね備えた最強挑戦者に屈し、21年12月に獲得したベルトを守ることはできなかった。

 まさかの敗戦だった。2回、ジェルサエムの強烈な右ストレートを顔面に浴びて谷口がキャンバスに沈んだ。慌てて立ち上がろうとしたものの、レフェリーが試合を止めた。

 「さっきまで試合内容を覚えてなくて…今、やっと(記憶が)戻ってきた。気がついたら倒されていました」

 相手が強いことは理解しているはずだった。アマチュア出身で技術力が高く、フィリピン人ボクサーらしく強打も秘めたジェルサエム対策として、ミニマムからスーパーバンタムまで幅広い階級の選手とスパーリング。特に右ストレートやアッパー、左フックには警戒していた。ところが、1回終了間際に右ボディーをヒットさせて得た手応えが、谷口の心に隙をつくった。「僕の認識が甘かった。想定よりも相手が上でした」と素直に敗戦を受け入れた。

 ワタナベジムでは同期入門の京口紘人に続き世界王座から陥落。2階級制覇などの大舞台も遠のき、谷口は「記憶が戻ってきて悔しくなると思う。それをかみしめて今後どうするか決めたい」と声を絞り出した。

 《鮮やかワンツー決着でジェルサエム新王者》鮮やかなワンツーで谷口を倒し、新王者となったジェルサエムは「準備は完璧だったし勝てると思っていた。母国フィリピンのために勝ちたかった。支援してくれた人たちに感謝したい」と喜びを爆発させた。初回は王者の左をもらう場面もあったが、まだ試合序盤で互いのスピードに慣れる前に決着をつけた。

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2023年1月7日のニュース