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4年ぶり現役復帰の佐藤四兄弟の四男・貴則が涙の決勝進出 全日本選手権ライト級

[ 2022年11月26日 18:24 ]

ボクシング全日本選手権第4日 ( 2022年11月26日    東京・墨田区総合体育館 )

現役復帰して全日本選手権ライト級決勝へ進んだ佐藤貴則
Photo By スポニチ

 準決勝が行われ、男子ライト級(60キロ以下)は大橋蓮(東農大)と佐藤貴則(西武台千葉高)が27日の決勝へ進んだ。大橋は高優一郎(拓大)に3回36秒KO勝ち。佐藤は柴田錬(大商大)に3回26秒RSC勝ちした。

 勝った佐藤が号泣した。1回は0―5の劣勢で、強烈なフックを利かせ始めた2回は5―0で優勢。勝負の3回、左ジャブから右、左で突き放すと柴田はフラフラになり、レフェリーが試合をストップした。「全日本に出るだけでも夢みたいなのに決勝まで行けて感無量です」とうれし涙をぬぐった。

 アマとプロで活躍した長男・賢治、二男・幸治ら、ボクシング界では知られた「佐藤四兄弟」の四男。「4年ぐらい前の国体」を最後に引退したが、「2歳と4カ月の2人の娘に、父ちゃんが頑張っている姿を見せたい」と9月の全日本社会人選手権で現役復帰して初優勝。全日本選手権の出場権も獲得した。「今日は家族や仲間も応援に来てくれた。最後まで頑張ろうという思いしかなかった。倒れてくれて運が良かった」と喜びをかみしめた。

 33歳の佐藤は登録は出身の西武台千葉高だが、職業は小学校の教員で、埼玉県行田市の忍小学校で特別支援学級の担任を務める。将来はボクシング部のある高校の教員を希望しており、全日本選手権は指導者の道へ進むための「区切り」のつもりだった。「今日勝てて満足しているが、ここまで来たら最後まで頑張りたい」。優勝すれば24年パリ五輪出場の道も見えてくる日本一決定戦の舞台に、無欲で臨む。

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2022年11月26日のニュース