再起2戦目の比嘉は3―0判定勝ち 「KO祭」でも前回の反省生かしてディフェンス意識
プロボクシング・バンタム級10回戦 ( 2022年11月15日 後楽園ホール )
元WBC世界フライ級王者で現日本バンタム級2位の比嘉大吾(27=志成)が再起2戦目で3―0の判定勝ちを収めた。序盤からディフェンスを意識して丁寧に組み立て、ソンセン・ポーヤム(23=タイ)に右フックや左ボディー、アッパーの連打を見舞ったが、タフな相手を倒せなかった。採点はジャッジ2人がフルマーク、1人が99―91だった。戦績は比嘉が19勝(17KO)2敗1分け、ソンセンは18勝12KO3敗。
比嘉は昨年4月、西田凌佑(26=六島)に判定負けしてWBOアジア・パシフィック・バンタム級王座から陥落。今年7月の再起戦ではフローイラン・サルダール(33=フィリピン)に勝ったが、ダウンを喫した上に2―1判定ときわどい白星だった。今回へ向けた練習では構え方やガード、打ち終わりのポジションなどディフェンス面を意識。WBC&WBA世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(30=BMB)や昨年の世界ユース選手権8強の吉良大弥彦(東農大1年)らとスパーリングを積んだ。「KO祭」と銘打たれた興行で、最速KO勝利には賞金50万円が贈られることになっていたが、当初から狙っていなかった。
「KOできなかったが、勝ててよかった」と話した比嘉は「前回派手な倒れ方をしたので、そこは意識した」と明かした。試合中にはセコンドの野木丈司トレーナーからKO指令を受けて強引に攻めたものの「ピンポイントで当たっていない感じで、倒せなかった」という。世界王者になるまで15連続KO勝利の日本タイ記録をマークしたが、「勝たないと(世界への)チャンスがもらえないので。チャンスをもらったらそれをモノにする。勝ちに徹したい」とKOよりも勝利優先の姿勢を強調した。
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