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岩田翔吉“見えない右”で早大出身初の世界王者に 粟生トレーナー指導で左対策万全、11・1世界初挑戦

[ 2022年10月5日 04:00 ]

腰に「WASEDA」の文字が入ったガードをつけてスパーリングをする岩田。右は粟生トレーナー(撮影・篠原岳夫)
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 11月1日に行われるWBO世界ライトフライ級タイトルマッチで世界初挑戦する岩田翔吉(帝拳)が4日、都内の所属ジムでスパーリングを公開した。サウスポーのジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)対策になる“見えない右”を再三ヒットさせるなど好調をアピール。早大出身ボクサー初の世界王者へ向け、「魂のこもった試合」を約束した。

 「今日が一番やられた。練習を積んで調子が上がってきているのでは」。王者と同じ左構えのスパーリングパートナー、WBC世界ミニマム級1位の重岡銀次朗(ワタナベ)が挑戦者の仕上がりに舌を巻いた。岩田がスパーを開始した先月28日から3度目の手合わせでは接近戦でのパワーやパンチの精度の高さを披露したほか、いきなりの右ストレートが何度も突き刺さった。重岡は「打たれる瞬間だけ見えない。瞬発力で打ってくる」と表現した。

 左ジャブを使わずに右から打ち込むのはサウスポー対策の定番だが、幼少時に総合格闘技に取り組んだ岩田の持ち味は爆発力。右はけん制以上の威力を秘める。ゴンサレスは足を使うタイプとあり、今回はサウスポーだった元世界2階級制覇王者・粟生隆寛トレーナーが追い込み方などを厳しく指導。その上で「しっかりとつかまえて倒したい。ここでいかないといけない、という嗅覚を持って挑もうと思う」と仕留める決意を口にした。

 田中恒成(畑中)や井上拓真(大橋)ら高校時代のライバルが早々とプロ転向したのに対し、早大を経てのデビュー。早大出身では岩田と同じボクシング部OBの高山将孝と三谷大和、さらに佐々木基樹も含めた3人が世界挑戦したが、いずれもベルトに届かなかった。かねて「早大史上初の世界王者になる」と誓ってきた岩田。「17年間ボクシングをやってきて人生最大の大一番と思うし、気合も入っている。魂のこもった試合をしたい」と改めて意気込んだ。

 ◇岩田 翔吉(いわた・しょうきち)1996年(平8)2月2日生まれ、東京都渋谷区出身の26歳。9歳で山本“KID”徳郁のジム「KILLER BEE」入門。中2でボクシングに専念し、日出高3年でインターハイ制覇などアマ71戦59勝(16KO・RSC)12敗。帝拳ジムに入門し、18年12月に米国でプロデビュー。21年11月に日本ライトフライ級王座、今年7月に東洋太平洋とWBOアジア・パシフィック王座も獲得して3冠王者となった。1メートル63の右ボクサーファイター。

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