藤波辰爾、感謝「人生全てが猪木さん」 訃報から一夜、自宅弔問で盟友が、弟子たちが悲しみの対面
「燃える闘魂」と呼ばれた元プロレスラーで、参院議員も務めたアントニオ猪木(本名猪木寛至=いのき・かんじ、享年79)さんの訃報から一夜明けた2日、一番弟子の藤波辰爾(68=ドラディション)が都内の猪木さんの自宅を弔問した。また、坂口征二氏(80)、長州力(70)らリングでともに戦った盟友も続々と訪れ、故人との別れを惜しんだ。
猪木さんの自宅を弔問した“愛弟子”藤波は、改めて「人生全てが猪木さんですから。自分の人生を変えてもらった恩人」と師匠への敬意と感謝の思いを口にした。前日は悲しみの中でリングに上がり、この日、遺体と初めて対面した。
「入り口に入った途端に寝顔が見えたものですから、一目散に行って…。そうしたら涙が噴き出して近づけなかった。今日はしっかりしなきゃというのがあったんだけど、見てしまうとダメでした」と、現実に向き合おうとする気持ちと、受け入れたくない本心が交錯。いざ対面し、安らかに眠る師匠の顔を見ると「長い期間、病魔と闘っていて、これで少し楽になれたのかなって。そう解釈するしかないですね」と冥福を祈った。
アントニオ猪木に憧れ、16歳で日本プロレスに入団。付き人として猪木さんと行動を共にしてきた藤波には半世紀以上の思い出がある。「かばんを持たせてもらって、背中を流させてもらって。シャンプーもしてあげたんだけど、頭の形まで自分の記憶に残っている」という。この日は「お別れする時に頭をちょっと触れさせてもらったんだけど、本当にそれが懐かしくてね。40~50年ぶりに猪木さんの頭を触らせてもらった」と、しみじみと語った。
昭和、平成と新日本プロレスを盛り上げた大物たちも続々と駆け付けた。日本プロレス時代からの仲間で、猪木さんとの黄金コンビで新日本の歴史を築いた坂口氏は「安らかだった。本当にお疲れさまでした。ありがとうございました」と盟友を悼んだ。
74年に猪木さん率いる新日本入りし、80年代に藤波と“名勝負数え歌”と呼ばれるライバル抗争を繰り広げた長州力は「本当に最後までよく頑張った。凄い方ですよ」と言葉少なに哀悼の意。藤波と同じく、猪木さんに憧れて80年に新日本入りし、82年から付き人を務めた高田延彦は「今までちゃんと感謝の気持ちを言うことができなかったんでね。まだね、気持ちの整理が…」と心境を吐露。「一言じゃ言い表せない。神様、恩人、スーパーヒーロー。もう、いくつもあります」と悼んだ。
≪遺体は安置所へ≫猪木さんの遺体は2日夜、都内の自宅から運び出された。猪木さんが顧問を務めたIGFの関係者は安置所への搬送と説明。IGFは1日、家族葬を行ったうえで、後日「お別れの会」を執り行う予定としていたが、現在は米国やブラジルにいる猪木さんの家族の入国を待っている状態で、日程などは未定と明かした。
▼藤田和之 最後に会った時には、いつも通り元気な姿で、カツを入れていただいた。2、3年前かな。本当に感謝しかないです。出来の悪い弟子ですから。(猪木イズム最後の継承者)
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