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判定負けの田中教仁「手を出せず悔いが残る。何もかも情けない」今後は「何も考えられない」

[ 2022年8月31日 23:12 ]

プロボクシングWBC世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦 ( 2022年8月31日    タイ・ナコンラチャシマ )

WBCミニマム級タイトルマッチで、パンヤ・プラダブシー(右)と攻め合う田中教仁=ナコンラチャシマ(共同)
Photo By 共同

 敵地タイで2度目の世界挑戦となったWBCミニマム級14位の田中教仁(37=三迫)は王者パンヤ・プラダブシー(31=タイ)に0―3で判定負けした。元世界3階級制覇王者・長谷川穂積の35歳9カ月を更新する日本男子最年長世界王座奪取はならず、日本ボクシングコミッション(JBC)公認のタイでの世界戦で日本人選手は26敗1分けとなった。元日本ミニマム級王者の田中は20勝(10KO)9敗。3度目の防衛に成功したパンヤは39勝(23KO)1敗。

 果敢に前へ出てワンツーやボディーを叩いた田中だったが、フットワークとジャブで距離をコントロールし、巧みなタイミングでボディーやアッパー、右ストレートを決めてくる王者相手に連打が出なかった。ジャッジ3者の採点は109―119、110―118、112―116だった。

 試合後の田中との一問一答は以下のとおり。
 ――試合を振り返って。
「倒せなかったなと。日本で4ラウンドまでとにかくプレスをかけて手を出そうと練習してきたが、なかなか出せなくて。最終ラウンドに立った時、死んでもいいと思っていた」

 ――プレスは十分にかけた。
 「手を出せず悔しさが残ります。ガンガンいこうとトレーナーの鈴木さん、チーフトレーナーの加藤さんとも話して準備できていた。気持ちを出して出ようと練習してきたのですが…。(ロープに詰めて)手が出なかったです」

 ――率直な気持ち。
 「もう、何もかも情けない。世界初挑戦でもなく、トップコンテンダーでもない。所属ジムがくれたチャンスなので…会長にベルトを巻きたかったし、死ぬ覚悟でいたので…」

 ――試合直後ですが、今後は。
 「今は何も考えられない」

 ▼三迫貴志会長「チャンスはあった。何度も効かせていた。左フックで(王者の)腰を落とした場面もあったし、もう一歩。(王者の)目もはれ、休みたい、逃げたい、ボディーも嫌がっていることが分かりました。ただ、地元タイで見栄えを良くすれば取られないし、そしてパンチも田中に当たって元気にさせてしまったところもある。倒せないと勝てないと全ラウンドで言い続けていたが、少し見てしまったところですね。試合内容、展開は想定通りでしたが、本人が相手を見すぎて、1発を狙いすぎたと思う」

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2022年8月31日のニュース