スーパー王者の京口、敵地メキシコでの王座統一戦は「最高の舞台。日本人は強いと思わせたい」

WBA世界ライトフライ級王座統一戦   スーパー王者　京口紘人（28＝ワタナベ）15勝10KO《12回戦》正規王者　エステバン・ベルムデス（26＝メキシコ）14勝10KO3敗2分け （ 2022年6月10日    メキシコシティー ）

＜WBA世界ライトフライ級スーパー王者　京口紘人会見＞対戦相手、エステバン・ベルムデスのパネルと記念撮影する京口（撮影・河野　光希）
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　4度目の防衛戦を兼ねた団体内統一戦に臨むWBA世界ライトフライ級スーパー王者・京口が28日、都内で会見し、「2戦連続の海外防衛戦だが、メキシコ選手相手にメキシコで戦えるのは最高の舞台。日本人は強いと思ってもらえるパフォーマンスで内部（王座）統一をしたい」と抱負を語った。

　昨年3月に米テキサス州ダラスで3度目の防衛に成功後、昨年9月に右手親指付け根を骨折し、さらに左肘を負傷するなどケガ続き。同11月には左脚の腸脛（ちょうけい）靱帯炎を発症し、2週間の絶対安静で完全休養した。「今までにないケガが続いてメンタル的にも落ち込んだ」というが、3月からスパーリングを始め、既に約40ラウンドを消化。「焦りはしたけど、その間にできるトレーニングは詰めた」とし、左が使えなかったぶん練習を積んだ「右ストレートの精度が上がった。バリエーションも引き出しも増えた」と明かした。

　敵地メキシコでの開催は不利になるが、「最近のボクシング界はビッグマッチや海外防衛、統一戦が行われていて、そういう試合をしていかないと注目されないと実感している。パッキャオも敵地でジャイアント・キリングをしていた。メキシコでチャンスをもらえたのは逆に光栄でチャンスと思う」と説明。「これをクリアすればいろんな景色が見えてくると思う」とし、WBC同級王者の寺地拳四朗（BMB）を含めた統一戦にも意欲を示した。1メートル70と自身より8センチ長身のベルムデスについては「メキシコ人の独特なリズムがある。ロングでいきなり振ってきたり、リーチが長い選手なので長い距離は警戒したい」と分析。展開については「自分のボクシングをすれば中盤以降チャンスが来ると思っているし、終盤までに倒せたら合格。海外の試合なので明確に勝ちたいが、アウェーだから絶対に倒さないといけない、というのはない」と話し、「今まで一番強い相手という認識はない。舞台は一番高いステージとは思うが」と付け加えた。

　標高2240メートルのメキシコシティーの高地対策として、既に低酸素テントをレンタルして自宅に持ち込んでいるほか、週に2～3回、東京・豊洲にあるアシックスの施設で高地トレーニングを実施。「（標高）3000メートルの酸素濃度のトレーニングルームで15分のランニングやシャドーをしたが、思っていたよりもゼーゼーとはならなかったし、それなりに適応する感触をつかんでいる」と手応えを口にした。試合の約3週間前にはメキシコ入りし、メキシコシティーで1週間ほど体を慣らしたあと、2800メートルの場所に宿舎を構え、WBC世界フライ級王者フリオ・セサール・“レイ”マルティネス（メキシコ）らと3400メートル地点で高地トレーニングを行い、メキシコシティーへ戻る計画も立てている。試合直前には22日に初防衛を果たした同期入門のWBO世界ミニマム級王者・谷口将隆も合流予定で、「心強い。力強いパフォーマンスで防衛戦をクリアしたので刺激をもらった」と笑顔で話した。