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並木 女子フライ級メダル確定、入江に続いた!目標は「2人で金」メジャー化へ猛ラッシュ

[ 2021年8月2日 05:30 ]

東京五輪第10日 ボクシング ( 2021年8月1日    両国国技館 )

ボクシング女子フライ級準々決勝 1回、コロンビア選手(左)を攻める並木
Photo By 共同

 女子フライ級準々決勝で並木月海(つきみ、22=自衛隊)が16年リオデジャネイロ五輪銅メダルのバレンシア(コロンビア)に5―0で判定勝ちし、4日の準決勝に進んだ。3位決定戦はないため、女子フェザー級の入江聖奈(20=日体大)に続き、日本女子2人目となるメダル獲得を確定させた。ボクシングの日本勢が五輪の複数階級でメダルを獲得するのは12年ロンドン五輪以来2度目となった。

 メダル獲得を決めてもリング上では涙も笑顔も見せなかった。リオ銅メダリストとのサウスポー対決。勝利を告げられた瞬間、並木は小さくうなずき、再び表情を引き締めた。

 「ホッとしている部分もあるけど、自分が目指しているのは金メダルなので、ここは通過点。一戦一戦しっかり闘っていきたい」

 序盤から積極的に仕掛けた。軽快なステップから鋭いステップインで右ジャブや左ストレートなどをヒットさせる。「気持ちをフルに出して勝ちにこだわった」の言葉通り、接近しての打ち合いも演じ、5―0の完勝を呼び込んだ。

 4人きょうだいの末っ子で姉と兄の影響で幼稚園から空手を始めた。キックボクシングの那須川天心とは幼なじみ。空手の試合で対戦したこともあり、今も交流を続けている。小3からキックボクシングを始めたが、元々は「母親の後ろに隠れているような子」。中学に入ると「普通の女の子になりたくて」格闘技から離れた。

 だが、並木にとって格闘技は「いつもとは違う自分が出せる」場所でもあった。1年で物足りなくなり、中2で再び始めた格闘技がボクシング。強豪の花咲徳栄高で頭角を現し、全国高校選抜2連覇など27戦全勝。午前4時に起床して片道2時間半かけて3年間通学した努力家は、社会人1年目に壁を経験しながらも、それを乗り越えて五輪代表の座をつかんだ。今は女子ボクシングのメジャー化という目標もある。

 「(入江と)2人で金メダルを獲って女子の日本ボクシングが強いぞ!と日本の皆さん、世界の皆さんに知ってもらいたい」

 準決勝はクラステバ(ブルガリア)との対戦。「世界に認められるボクシングがしたい」という並木の視線は頂点を見据えている。

 ◇並木 月海(なみき・つきみ)1998年(平10)9月17日生まれ、千葉県成田市出身の22歳。幼稚園の年中で空手、小3でキックボクシングを始め、中2からボクシング。花咲徳栄高では全国高校選抜2連覇など27戦全勝。世界選手権は18年銅メダル、19年ベスト8。18、19年度アマチュア女子最優秀選手。自衛隊での階級は3等陸曹。身長1メートル53の左ボクサーファイター。

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