西田凌佑 7戦目までの世界奪取に意欲「名城さんの記録超えたい」 国内最速プロ4戦目で地域王座獲得
24日のWBOアジアパシフィック(AP)バンタム級タイトルマッチ(宜野湾市・沖縄コンベンションセンター)を12回判定3―0(118―110、117―111×2)で制し、新王者となった西田凌佑(24=六島)が26日、大阪市内の所属ジムからリモート会見に臨み「とてもうれしい気持ちでいっぱい」と満面に笑みを浮かべた。
試合には同級5位の挑戦者として臨み、元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(25=Ambition)からベルトを奪った。比嘉はパワータイプながら以前はフライ級が主戦場だった。逆に西田はプロ3戦のうち2戦がスーパーバンタム級、前回はフェザー級で元日本バンタム級王者の大森将平(ウォズ)を破っており「(比嘉の)パンチ力はあまり感じなかった」という。その手応えがあった試合後半は積極的に出て近距離で左右ボディーをたたき込み、右フックや左ストレートもヒット。王者の地元で完勝した。
プロ4戦目での地域王座獲得は、2013年8月に日本ライトフライ級王座を獲得した井上尚弥(大橋)、14年10月に東洋太平洋ミニマム級王座を獲得した田中恒成(畑中)、1990年9月に日本バンタム級王座を獲得した辰吉丈一郎(大阪帝拳)らに並ぶ国内最速記録。また、西田が近大ボクシング部時代に指導を仰いだ名城信男監督(39)はプロ6戦目で日本スーパーフライ級王座を獲得しており、西田は早くも“師匠超え”を果たした。
次の5戦目で世界王座を獲得すれば15年5月にWBO世界ミニマム級王座を獲得した田中恒成に並ぶ国内最速記録となる。また、名城は06年に当時の国内最速に並ぶ8戦目でWBA世界スーパーフライ級王座を獲得しており、西田が7戦目までに世界奪取すれば再び“師匠超え”となる。「記録は狙っていきたい」と意欲を示した。同席した武市トレーナーは「チャンスがあればいつでも、どこでも、相手が世界チャンピオンならやります」と幅広く世界挑戦の機会を探る方針だ。同トレーナーは階級についても「(問題なく)調整できたらバンタムでやりたい」と話した。
WBOAPバンタム級王座を獲得したことでWBO同級で世界ランク入りするのは確実。現王者のジョンリール・カシメロ(32=フィリピン)は8月14日にWBA世界同級王者ギジェルモ・リゴンドー(40=キューバ)との対戦が組まれている。西田はカシメロについて「まだ比嘉選手に勝ったばかりで何も考えてなかったですけど、やりたい気持ちはあります」と話した。
また、同トレーナーは西田の“大物ぶり”を示すエピソードも明かした。比嘉との試合前、控室ではアイマスクを着けて寝ていたという。「感情の起伏が激しくないというか、いい意味で相手が誰でも平常心で戦える。天然なところがあり、大舞台でも浮き足立たない。もう少し緊張してくれないと(トレーナーとしては)逆に困るけど、常に一定以上のパフォーマンスを見せられる」。次戦は年末に行う方針。
この日は六島ジムから西田、武市トレーナーにそれぞれ報奨金100万円が贈られた。
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