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久保、2階級制覇へ「恩返しできるチャンス」 5月中国で世界挑戦

[ 2019年4月20日 05:30 ]

WBA世界フェザー級タイトルマッチ   王者・徐燦(中国)《12回戦》同級10位・久保隼 ( 2019年5月26日    中国・撫州市 )

世界2階級制覇へ意気込む久保隼
Photo By スポニチ

 引退危機を乗り越え、世界2階級制覇を狙う。前WBA世界スーパーバンタム級王者で、同フェザー級10位・久保隼(29=真正)が19日、神戸市内で会見し、5月26日に中国で同級王者・徐燦(25=中国)に挑戦すると発表した。同門で第二の人生を歩み始めた元WBO世界ミニマム級王者山中竜也さん(24)の思いも胸に必勝を期す。

 ボクシングを続けられる喜びを結果で示したい。会見で時折、笑みを浮かべる久保の言葉は真剣そのものだ。

 「世界戦が決まり、山下会長をはじめ、応援してくれた方々に恩返しできるチャンス。自分のためにも意地でも勝ちたい」

 2年前に世界初挑戦で王座を獲得も、初防衛に失敗。昨年4月に再起戦を飾ったが、10月にスパーリングで右目を負傷した。物が二重に見え、歩いていても物にぶつかったり、段差に気づけないなど日常生活にも支障が出た。水差しからコップに注ごうとして狙いを外し、机を水びたしにした際は「かなりショックだった」。兵庫県内の病院で出された診断は「滑車神経まひ」。相手のパンチが見えなければ戦えない。競技力の根底を支える部分がゆらぎ、「本音を言えば(引退を)考えた」。それでも諦めず、東洋大の先輩など視力に問題を抱えた経験がある選手らの助言を参考に走り込みなどトレーニングを継続。視界がズレていた右目とバランスを取るために3月上旬に左目を手術して成功。今月15日にはスパーリングを開始した。

 競技を続けられなかった元世界王者の山中さんに勝利を届けたい。久保にとって「言葉がなくても互いに言いたいことが分かる」という最良の戦友は、昨夏の王座陥落後に硬膜下血腫が判明して引退。大阪・北新地で店長を務める飲食店「おにぎり竜」をこの日にオープンさせた。その山中さんが試合当日は中国まで応援に駆けつける予定。余計に負けられない。

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2019年4月20日のニュース