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伊藤“重い”っきり叩く!異例の計量後10%超増量プラン

[ 2018年12月28日 05:30 ]

WBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチ   王者・伊藤雅雪≪12回戦≫同級1位エフゲニー・チュプラコフ ( 2018年12月30日    大田区総合体育館 )

予備検診を受ける伊藤(左)とチュプラコフ(撮影・島崎忠彦)
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 トリプル世界戦の予備検診が27日、都内のホテルで行われ、初防衛戦に臨むWBO世界スーパーフェザー級王者・伊藤雅雪はエフゲニー・チュプラコフを身長で7・5センチ、リーチで13センチ上回った。伊藤は前日計量後には一晩で6〜6・5キロ戻す予定で、異例の“増量ボディー”で挑戦者を圧倒する構えだ。

 身長、リーチで上回ったことに驚きはない。初対面した挑戦者の印象を尋ねられた伊藤は「思った通り小っちゃいなと思ったけど、想定内ですね」と余裕。初防衛戦に向けて「体格の数字に気を取られず、試合に集中したい」と話す一方で、その優位性も強調した。

 「この階級なら体格的に有利なことは分かっていた。減量はキツいけど、当日には体重を戻すので、かなり有利になると思う」

 スーパーフェザー級のリミットは58・9キロ。伊藤は前日計量後、「6キロから6・5キロぐらい」増やすという。

 体重超過が続いたことを受け、JBCは罰則規定を設け、今年9月から施行。同時に選手保護の観点から当日計量で8%超の場合には階級変更を勧告するルールも定めている。急激な体重増はスピードが鈍るなどのリスクも伴う。伊藤は10%超の増量となるが、「それが一番動ける体重だと分かっている」と、普段通りを強調した。

 26日からトレーナーとともにホテルで過ごし、減量は残り2・5キロと順調。リカバリー用のドリンクや食事も準備済みだ。

 「あとは気負い過ぎず、いつも通りに計量をクリアして、いつも通りにリカバリーして、試合の数時間前にはスイッチ入れ、しっかり倒して、いい年を迎えたい」

 計量後には試合当日の午後まで家族と過ごし心もリカバリーする予定。7月に日本人として37年ぶりに米国で世界王座を奪取した伊藤は心身ともにパワー全開で凱旋の舞台に立つ。

 ▽JBCルール(抜粋)第74条第2項 試合出場契約書に記載されているウエイトと第94条第2項に従って計量したウエイトを比較してその増加が8%を越えたボクサーに対しては、JBCは試合日、氏名、所属ジムおよび増加したウエイトおよびそのパーセンテージを明示して、公示することにより階級の変更を勧告するものとする。

 ▼チュプラコフ 伊藤は十分調整できているように見えた。体格差は想定内。身長差は身長差に過ぎず、ファイトはファイト。試合への影響はない。

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