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亀田和毅 判定圧勝で3年ぶり世界奪取 史上初3兄弟2階級制覇達成

[ 2018年11月12日 22:04 ]

ボクシングWBC世界スーパーバンタム級暫定王座決定12回戦   同級2位・亀田和毅―同級1位アビゲイル・メディナ ( 2018年11月12日    東京・後楽園ホール )

<WBC世界スーパーバンタム級暫定王者決定戦 亀田和毅・アビゲイル・メディナ>左ジャブを見せる亀田和毅(撮影・長久保 豊)
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 ボクシングのWBC世界スーパーバンタム級暫定王座決定12回戦は12日、東京・後楽園ホールで行われ、亀田3兄弟の三男で元WBO世界バンタム級王者の和毅(27=協栄)がアビゲイル・メディナ(30=スペイン)に3―0判定勝ち。2人の兄に続いて2階級制覇を果たした。日本人王者の複数階級制覇は14人目、3兄弟そろっての2階級制覇は史上初の快挙。

 和毅は序盤からリードの左を、ダブルで上下に打ち分けて主導権を握る。メディナのパンチもバックステップではずし、付け入る隙を与えない。4回終了時点でジャッジ3人ともに40―36とフルマークで和毅を支持した。

 中盤もいきなりの右フックで相手を幻惑。7回にはパンチでメディナの右眉上を切り裂き、出血する。8回を終え、3者ともに78―74とリードを守った。終盤、足が止まり、やや疲れの見えた和毅だったが、逃げ切った。ジャッジ3人の採点は116―112、117―111、117―111だった。

 和毅は15年春、WBA王者マクドネルと統一戦を行う予定だったが、WBOサイドが認めなかったため、4月24日付で王座返上。その日から長いトンネルが始まった。マクドネルとは2度戦い、ともに判定負け。16年10月に協栄ジムに移籍したが、再び世界の舞台で戦うチャンスが訪れるまで3年2カ月の時間を要した。

 雌伏の時期は肉体的にも人間的にも成長を促した。メキシコでキャリアを積み、スピードとテクニックにはもともと定評のある選手。課題のパワーアップのため、プロ野球日本ハムでコンディショニングを担当し、ダルビッシュや新庄らを指導した経験もある多田久剛トレーナーに師事。単に筋肉量を増やすのではなく、体幹を強化し、下半身の力を拳に伝えるためのトレーニングを導入。食事面では3年前に結婚したシルセ夫人のサポートも受けて肉体改造に成功。2階級制覇を成し遂げた。

 今後は正規王者レイ・バルガス(メキシコ)との王座統一戦、そして他団体の王者との統一戦も視野に入れる。再びの隆盛へ、亀田家が復活への道を歩み始めた。

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