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“戦うナース”元極真空手世界女王・谷山、12・1ボクシングデビュー

[ 2018年11月6日 05:30 ]

プロボクシングデビューが決まり笑顔でポーズをとる谷山
Photo By スポニチ

 極真空手の元世界女王でキックボクサーとしても活躍した谷山佳菜子(31=ワタナベ)のプロボクシングデビューが決まった。12月1日にエディオンアリーナ大阪でスマリー・トンプートーン(タイ)とバンタム級6回戦を行う。看護師資格を持つ“戦うナース”が左膝半月板の故障を乗り越え、約2年ぶりにリング復帰する。

 競技は違っても舞台は同じ四角いリング。キック時代に拠点としていた大阪でのデビューが決まった谷山は「ドキドキするけど、大阪の応援してくれている人たちの前でもう一度、戦う姿を見てもらえるのはうれしい。まずはしっかり勝ちたい」と意気込んだ。

 極真空手からキックの世界に活躍の場を広げていた谷山に悲運が襲ったのは16年11月の稽古中だった。左膝半月板を損傷…3度の手術を受け、復帰に向けて1年半以上もリハビリを続けたが、医師からは「復帰は難しい」と宣告された。

 子供の頃は「何も頑張ったことがない子供だった」という谷山。テレビで見たK―1の故アンディ・フグ選手に憧れ、自分を変えるために高1で飛び込んだ格闘の世界。戦うことは自身のアイデンティティーにも関わるだけに簡単には諦められなかった。

 リハビリ中にパンチの技術を磨くためにボクシングジムに出稽古に行き、女子ボクサーと交流を深める中で、ボクシング挑戦を決意。5月にワタナベジムに入門し、7月にはプロテストに合格した。

 現在は看護師として東京・半蔵門のナグモクリニックで午前9時から午後3時まで勤務。その後、ジムで2〜4時間の練習を行う。看護と格闘、対極的な2つに谷山は共通点があるという。「どちらも観察が大事なんです。違うのは相手が望むことをしてあげるか、嫌がることをやるかということですね」。

 空手、キックでの実績があるため、プロテストでは6回戦が可能なB級で合格したが、谷山と同じバンタム級でB級以上のライセンスを持つ女子選手は国内に5人しかおらず、対戦相手探しが難航。秋に予定していたデビューが12月にずれ込んだ。それでも「ボクシングを身につけるために必要な期間だった」と前向き。“戦うナース”は満を持して、はじめの一歩を踏み出す。

 ◆谷山 佳菜子(たにやま・かなこ)1986年(昭61)12月7日生まれ、熊本県合志市出身の31歳。熊本信愛女学院高1年から極真空手を始め、09、10年と世界女子空手道選手権大会2連覇を達成。10年にキックボクシングデビューし、13年の初代LEGEND QUEENバンタム級王座など国内タイトルを獲得。1メートル64、右ボクサーファイター。

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