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ブラントに研究されていた…村田「完敗ですね」 再戦は「今は考えられない」

[ 2018年10月21日 15:32 ]

ボクシングWBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦   ○同級1位ロブ・ブラント 判定3―0 王者・村田諒太● ( 2018年10月20日    米ネバダ州ラスベガス、パークシタター )

判定で勝利し喜ぶブラントを見つめる村田(右)(AP)
Photo By AP

 WBA世界ミドル級王者・村田諒太(32=帝拳)が本場ラスベガスのリングで2度目の防衛戦に敗れ、昨年10月に獲得した王座から陥落した。指名挑戦者のロブ・ブラント(28=米国)に序盤からペースを握られ、後半の追い上げもならず、採点は118―110が1人、119―109が2人の完敗だった。村田はプロ通算14勝(11KO)2敗、ブラントは24勝(16KO)1敗。

 村田との一問一答は以下の通り。左ほほと右目周辺が腫れ、痛々しい表情だった。

 ――今の心境は。

 「まあ、右も読まれていたし、自分のボクシングの幅の狭さを感じたので、あ、負けたなって感じですね」

 ――何ラウンドから思うようにいかないと思ったか。

 「倒せるチャンスに倒しきれなかったのが全てかなと思います」

 ――6ラウンド。

 「そうですね」

 ――向こうは最初から勝負してきたし、体力を消耗すると思ったが。

 「もう流れが相当良くなかったし、いやもう、完敗ですね」

 ――採点はだいぶ差がついた。つきすぎかなと思うが。

 「僕も、もうちょっとくれてもいいかなと思いましたけど、16―14でも16―12でも負けは負けですから、そこは気にならないですね。そうつけられてもおかしくない試合内容だったなと思う」

 ――ブラントが予想と違ったところは。

 「速かったですね。思ったより。ボクシングも速いし、もっと(体力が)落ちてくれるかなと思ったら、落ちてくれなかった。よく練習してるんだろうなと思いました」

 ――左ボディーが途中から当たっていたが、打開策だったか。

 「ボディーもそうですね。効いているところはあったと思いますけど、それ以上に相手の方が、インテリジェンスという面で上だったかなと思う。やっぱり右はしっかり見切って、左右に動いて、右の打ち終わりをジャブを突いて狙って、本当にコントロールされたな、研究されたなという印象ですね」

 ――村田選手の右もいつもと違う感じがした。

 「相手あってのものなんで、相手が速くて当たらなかったというのが一番じゃないですかね」

 ――ラスベガスでの世界戦の感想は。

 「自分のボクシングの幅の狭さを感じましたし、ベストは尽くしたけど届かなかったなという気持ちですね。ただ、多くの日本人の方が来てくれていたので、それは凄くうれしかった」

 ――判定を聞いた瞬間、拍手を送っていた。

 「完全に負けたと思っていたから。負けだなと」

 ――ボブ・アラム・プロモーターが再戦させたいと話している。

 「でも、再戦を要求するような内容じゃなかったと思いますし、完敗だったので。それは僕がモノを言えることではないと思う」

 ――アラムさんはブアント陣営に了解を取ったと言っているが。

 「今はあまり考えられないですね」

 ――心の中で一番占めている感情は。

 「負けたなと。完全に負けたなと。実力不足だと」

 ――相手の効いたパンチはあったか。

 「一発で効いたというより、蓄積されていったというか。11ラウンドもぐらつきましたし。蓄積の面ではありました。一発どれがという感じではなかったですね」

 ――距離感は。

 「距離がどうこう言うより、右を完全に読まれていたので。本当にうまく戦われたなと」

 ――初回から感じていた。

 「思ったよりも速かったというのが正直なところですね。もうちょっと遅いかな、もうちょっとスタミナ切れるの早いかなと思っていたけど、自分の消耗があったのもあるでしょうし、いくら疲れていても相手はうまいですから。自分もワンツーからボディーしか打てない選手だし、自分の幅のなさを痛感した試合になりました」

 ――これから試したいスタイルはあるか。

 「いや、これだけ大きな舞台をつくっていただいて、負けて、はい、じゃあ次はなんていう気持ちにはなれないですね」

 ――コンディションは。

 「非常にいいコンディションでできたし、練習自体も100%できたんで。追い込みもしっかりやりましたし、過程においては何の後悔もないです。いい時間だったと思う」

 ――エンダム戦の負けと違う意味がある。

 「今日は完全に負けたので、全く違う」

 ――これからのことはしばらく考える?

 「そうですね。はい。そんなすぐに答えが出てこないので」

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