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村田 怒りのV2宣言“制空権”に自信あり「絶対に倒します!」

[ 2018年10月21日 05:30 ]

WBA世界ミドル級タイトルマッチ   王者・村田諒太《12回戦》同級3位ロブ・ブラント(米国) ( 2018年10月20日    米ネバダ州ラスベガス パークシアター )

計量後のフェースオフでにらみ合う村田(左)とブラント(撮影・中出 健太郎)
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 前日計量が19日に試合会場のパークシアターで行われ、2度目の防衛を目指す王者・村田はミドル級リミットより300グラム軽い、自己最軽量の72・2キロで一発パスした。計量は一般公開され、村田は「絶対に倒す」とラスベガスの観客にKOを約束。相手にダメージを与えやすい距離から打ち込む右ストレートを練習してきており、ビッグマッチへのアピールとなる派手なKO劇を狙う。

 もう遠慮などいらない。計量直後のフェースオフでブラントを17秒間にらみつけた村田が、公開インタビューでKO宣言だ。「絶対に倒します。楽しみにしていてください。保証するかと言われると難しいですけど、狙います」。元々、対戦交渉時に王者へのリスペクトを欠いた相手に対し、珍しく感情的になっていた。練習を積むうちにそんな感情も消えていたが「(相手を)目の前にすると、倒したい気持ちが強くなる。欲が出ているのは事実」と目をぎらつかせた。

 KOパンチについては「僕は右ストレートと左ボディーでしか倒せないから」と自嘲気味に話したが、必殺の右は進化している。帝拳ジムの本田明彦会長に「届かない距離で打ってるぞ」と指摘を受けたのは、3日のスパーリング。相手にヒットする際に右手が伸び切った状態で、打ち抜けなくなっていた。

 「自分のパンチが生きる距離」を調整し、しっくり来たのが、左ジャブがちょうど届くポジション。右はジャブよりも肩を入れて打つため腕が伸び切る前に当たり、ためたパワーがそのまま衝撃となって伝わる。「ボクシングで倒れるパンチは、だいたいその距離感。腕がちょっとでも余ってたら効く」。脚が速いブラントでも、射程に入れば一撃でKOする右を磨いてきた。

 明白な形でV2に成功すれば元3団体統一王者ゴロフキン(カザフスタン)との対戦が近づく。米国には村田の実績不足を指摘する声もあるが、指名試合は負けるリスクもある半面、「誰とやりたいとか言う権利が僕にも出てくる」というハイリターンも望める。「前半は相手のパンチを見切って、中盤以降にプレッシャーをかけて強いパンチを打ち込んで、ぶん殴ってやりたいと思う」。恐ろしいほど淡々とした口調だった。

 《米国で防衛は過去4人》米国での王座防衛に成功した日本人世界王者は過去に西岡利晃、亀田和毅、河野公平、井上尚弥の4人。ラスベガスでの防衛成功は西岡と亀田和の2人で、米国で米国人相手に防衛したのは昨年9月の井上だけだ。村田が今回KO勝ちすれば、日本人史上初の「ラスベガスで米国人相手のKO防衛」になる。

 《シアター型会場「いい記念に」》試合会場のパークシアターはラスベガス中心部の大通りに面した最新型の劇場で、収容5200人。年末からはレディー・ガガ、19年4月からはエアロスミスが公演を予定しており、リングは半円形の舞台の前に設置される。19日に会場を視察した村田は「シアター型であのサイズは日本にはない。きれいで、(客席が)平たんじゃないから見やすいのでは。いい記念になる」と印象を口にした。

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