山中 V12へまだまだ成長?リーチ2センチ“伸びた”
WBC世界バンタム級タイトルマッチ 王者・山中慎介≪12回戦≫同級6位・カルロス・カールソン ( 2017年3月2日 両国国技館 )
予備検診が27日に都内のホテルであり、王者・山中慎介(34=帝拳)と挑戦者カルロス・カールソン(26=メキシコ)はともに異常なしと診断された。日本歴代単独2位となる12度目の防衛を狙う山中は身長で1・5センチ相手を上回り、リーチは昨年9月のV11戦より2センチ伸びてカールソンと同じ1メートル77。初対面の挑戦者を「細い」と表現する一方で、自身の調整には手応えを示した。
防衛記録と同様、検診結果の数字には興味を示さなかった山中が、いたずらっぽい表情を浮かべた。自身のリーチが前戦から半年で2センチ伸びたと聞かされた時だ。測り方の違いによる誤差の可能性もあるが、「(練習で)左を調子良く打ち込めたので、2センチ伸びたのかな。2センチ(の差)が試合に出るかな」。ジョークで会見をなごませると、エレベーターに乗り込む際に左腕をドアに軽くぶつけ、「痛っ。これで2センチ縮まったかも」と関西人らしく“オチ”を口にして笑わせた。
リラックスムードでも初対面の相手の体はチェックしていた。検診でカールソンが上着を胸までまくると、腹部を凝視。「どのぐらいのウエストか見ていた。思ったよりも細い印象。自信を持って上も下も打ち込んでやろうと思う」と言い切った。一方で「毎試合、調整がうまくなっている。今回も今の時点で心に余裕がある」と自身の体調には太鼓判を押した。
若い頃は食事や体調管理に無頓着だった。しかし、日本ランキング入りする前、試合前日に肉を食べ「食あたりになってヤバかった」経験から気を使うように変わった。体に良いものを取るように心掛け、「安っぽい体じゃなくなった」という。必ず実行しているのは、試合直前は「冷蔵庫の飲みものは絶対に飲まない」こと。真夏でも我慢して常温の水分を口にし、体への負担を減らしている。一時は4種類を摂取していたサプリメントも「(摂取を続けると)手放せなくなる」と現在はアミノ酸だけ。減量幅が世界奪取時の4・5キロから7キロに増えても、体を自然に近い状態に保つことで最終調整で失敗しない。「今までやってきたという自信も一層ある。試合するのが楽しみ」。王者にはベストでリングに上がる確信がある。
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