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“疑惑の判定”のランダエタ 再度世界の舞台へ 胸に息子2人の似顔絵タトゥー

[ 2016年4月22日 17:13 ]

右胸に長男ファンホセ君、左胸に次男アントニオ君のタトゥーを入れたランダエタ

 プロボクシング・トリプル世界戦(27日、東京・大田区総合体育館)のWBA世界ライトフライ級タイトルマッチで王者・田口良一(29=ワタナベ)に挑戦する同級7位で 元WBA世界ミニマム級暫定王者のファン・ランダエタ(37=ベネズエラ)が22日、東京都品川区のワタナベジムで練習を公開した。06年8月のWBA世界ライトフライ級王座決定戦で亀田興毅に“疑惑の判定”で敗れ、日本国内からも疑問と亀田陣営へ怒りの声が噴出したことで有名。同年12月の再戦では判定で完敗し、10年1月の試合を最後に一時引退した。しかし、約5年のブランク後の14年12月に復帰。昨年6月に来日し、カシミジム(金沢)の所属選手として世界の舞台に戻ってきた。

 引退後は少年野球のコーチやボクシングの審判として活動していたが、ジャッジを務めていた際にヒルベルト・メンドーサ前WBA会長から励まされ、現役復帰を決意したという。「私の健康を気遣って、チャンスもくれた」という恩人は3月に72歳で死去。「27日の試合とその後のボクシング人生をささげたい」と恩返しを誓っている。また、同じ3月には長男のファンホセ君(14)が心臓病の手術を受けることになり、一時ベネズエラに帰国。幸いにも2時間半の手術は成功し、「回復して今は大変良くなっている。彼がいい人生に戻れるよう願っている」とランダエタ。胸に息子2人の似顔絵のタトゥーを入れる父親にとって、田口戦は家族を勇気づける戦いともなる。

 公開練習では37歳とは思えない肌つやの良さや5年のブランクを感じさせない動きを披露。衰えを指摘する声にも「笑うかもしれないが、26、27歳の頃より体調はいい。ブランクの間に多くの経験や知識を得た。体調は最高で、(04年の)新井田豊戦や亀田興毅戦とは比べものにならない」と自信満々に話した。「興毅はパワフルで新井田はテクニシャンだった。田口はまだ試合していないので何とも言えないし、昨夏に彼とやったスパーリングもソフトなものだったが、彼が“9回で倒す”と言っているようだから、私は7回までのどこかでKOするよ」と宣言。現在もベネズエラ国内で審判を務めるとあって「彼がダウンしたら、自分が(レフェリーとして)ワン、ツーと数えようか」と話しておどけた。

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2016年4月22日のニュース