×

村田 鮮烈2回TKOデビュー「80点ぐらいはいいですか」

[ 2013年8月25日 21:25 ]

プロデビュー戦を勝利で飾り、笑顔を見せる村田諒太

プロボクシング 73・0キロ契約6回戦 村田諒太 2回2分24秒TKO 柴田明雄

(8月25日 東京・有明コロシアム)
 ボクシングのロンドン五輪男子ミドル級金メダリストの村田諒太(27=三迫)が25日、東京・有明コロシアムでプロデビュー戦に臨み、2回TKO勝ちの鮮烈デビューを飾った。東洋太平洋同級王者の柴田明雄(31=ワタナベ)とノンタイトル戦を行い、1回に強烈な右でダウンを奪うと、2回2分24秒にレフェリーが試合を止めた。

 日本人離れしたパワーあふれるパンチに客席がどよめく。デビュー戦の村田は東洋太平洋王者にも臆することなく序盤から積極的にしかけた。得意の接近戦から強烈な右ボディー、右ストレート。プロで29戦のキャリアを誇る柴田が何度もぐらつく。そして衝撃の瞬間は1回の残り1分過ぎだった。

 コーナーに柴田を追い詰め、カウンターの右を打ち込む。ガードが下がったところに、今度は強烈な右ストレートであごを捉えた。柴田は尻もちをつくようにダウン。1回終了のゴングに救われたもののダメージは明らかだった。2回も一方的に攻め、レフェリーストップによるTKO勝ちを飾った。

 「このリングに立てることに幸せを感じていた。僕も危ないパンチ一発もらいましたし、凄く成長になる試合でした。(自己採点は)80点ぐらいはいいですか」

 ロンドン五輪から1年。鮮烈デビューに表情をほころばせた。

 ノンタイトル戦とはいえ相手は東洋太平洋王者。試合条件も村田の減量がきつくなりすぎないよう、プロのミドル級のリミット72・5キロを上回る73・0キロ契約で行われた。

 「柴田選手が僕の出した条件で試合をやってくれたことに感謝したい。柴田選手にありがとうございましたと言いたいです」と相手を敬う気持ちも口をついた。

 五輪後に一度はアマの指導者を目指す決意を口にしながらも、プロの道をあきらめきれず27歳にして重大な決断を下した。紆余(うよ)曲折を経てのプロ転向は家族の存在抜きに語れない。

 「1カ月練習で米国行ってたのに、文句も言わず待っててくれた。その後も試合前は1週間ホテル暮らしだった。実はきょう、こどもがジャンプしたんです。そのおかげで勝てた」と感謝を口にし「まだスタートライン」と、世界中の猛者が待ち受けるミドル級戦線を見据えた。

続きを表示

この記事のフォト

2013年8月25日のニュース