山中、完勝V1!米進出「自信はあるんで、挑戦したい」
WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦 山中慎介 判定 ビック・ダルチニャン
(4月6日 東京国際フォーラム・ホールA)
WBCバンタム級の山中慎介(29=帝拳)は、元スーパーフライ級3団体統一王者ビック・ダルチニャン(36=オーストラリア)を完封。左カウンターでポイントを重ね、3―0の判定で初防衛に成功した。
最大7点をリードして迎えた最終回、山中はまだ疲れを見せない華麗なフットワークで、ダルチニャンの突進をかわし続けた。「倒しにいきたかったんですけど、(帝拳ジムの)本田会長に止められたんで」。傷一つない顔で終えた12回。文句のない判定でビッグネームを退けた。
「インパクトがある試合じゃなかったけど、普通に勝った」。相手は2階級制覇の元世界王者。スーパーフライ級ではWBA、WBC、IBFの3団体を統一した世界的知名度を誇る相手に作戦通りの試合を貫いた。
序盤は消耗を待ち、5回に左カウンターで相手の右まぶたをカットさせた。相手の強打をかわして的確に左を当て続け、11回にはロープに飛ばした。連続KOは9で途切れたが、勝利という揺るぎない事実に「自信を持っていい」と自ら話した。
見返してやりたい人たちがいた。ベルトを手にした昨年11月は試合2日前に挑戦者決定戦から王座決定戦に格上げされた経緯があった。ネット上に「ベルト泥棒」という文字が現れた。「ベルトの価値を証明する」と闘志を燃やしてきた。
「もうちょいいけたかなと思うけど仕方ない。自信はあるんで(ラスベガス進出に)挑戦したい」。ダルチニャン有利の賭け率もあった本場も驚かせる完封勝利。ダルチニャンを破った左ストレート――。山中が得た肩書は、そのまま自信と夢への切符になった。
◆山中 慎介(やまなか・しんすけ)1982年(昭57)10月11日、滋賀県湖南市生まれの29歳。南京都高でボクシングを始め、3年時に粟生隆寛を破り国体で優勝。専大では主将を務めた。アマ通算34勝10KO・RSC13敗。06年1月プロデビュー。10年6月に日本バンタム級王座を獲得。11年3月に初防衛に成功。11年11月に空位の王座決定戦でWBC世界バンタム級王座を獲得。1メートル70.5、左ボクサーファイター。独身。
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