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黒木は判定で敗れる 夢かなわず「負けは負け」

[ 2010年3月27日 20:33 ]

2回、黒木健孝(手前)の右フックがオーレドンの顔面にヒット

 世界ボクシング評議会(WBC)のタイトルマッチが27日、東京・有明コロシアムで行われ、ミニマム級12回戦は同級4位で挑戦者の黒木健孝(ヤマグチ土浦)がチャンピオンのオーレドン・シッサマーチャイ(タイ)に0―3の判定で敗れ、世界初挑戦での王座獲得はならなかった。黒木は前に出たが、王者のカウンターパンチで劣勢になった。11回に右フックでダウンを奪ったものの、及ばなかった。28歳の黒木の戦績は28戦23勝(15KO)4敗1分け。オーレドンは5度目の王座防衛で38戦全勝(13KO)とした。

 敗者にとって「善戦」という言葉はむなしさを募らせるだけだ。無敗の王者からダウンを奪っても夢はかなわず。小差の判定負けに黒木は「負けは負け。本当にすみません」と肩を落とした。
 サウスポー同士。黒木は序盤から突進して右フック、左ストレートを振り回したが空を切った。「心にゆとりがなかった」。焦る気持ちを見透かしたように距離を置くオーレドンはカウンターのコンビネーションパンチを的確に当てた。両まぶたを腫らした挑戦者の姿が力量の差を物語った。
 11回に右フックがあごをかすめ尻もちをつかせたが、攻めきれなかった。終戦のゴングを聞くと、首を横に振った。
 長崎で7人きょうだいの四男として育ち「有名になりたい」とベルトを目指した。日本のトップに立ち、ラーメン屋で働きながら、28歳にして巡ってきた好機だった。「駄目っすね。1回でやんないと」。チャンスをつかめず、ショックを隠さなかった。

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2010年3月27日のニュース