中畑清氏 「野球の伝道師」になったドジャースの日本選手 日本の野球ここにありを世界中にアピール

[ 2025年11月4日 05:30 ]

ドジャースの球団公式インスタグラム(@dodgers)から

 【キヨシスタイル!】凄い試合だった。ワールドシリーズ(WS)第7戦。一瞬たりとも目を離せない。手に汗握る展開。最後は山本由伸がマウンドで雄叫びを上げた。二刀流の大谷翔平も歓喜の輪に駆けていく。その光景を見て21年前、長嶋茂雄さんが日本代表の選手に掛けた言葉を思い出した。

 「野球の伝道師たれ」

 2004年のアテネ五輪。監督の長嶋さんは病に倒れ、ヘッド兼打撃コーチだった私が代わりに指揮を執ることになってさ。予選リーグを1位通過しながら、準決勝でオーストラリアに0―1で敗れ、銅メダルに終わった。

 その後、侍ジャパンはWBCで3度の優勝。21年に行われた東京五輪では金メダルを獲得した。そして今、WS2連覇を果たしたドジャースの中心に日本の選手がいる。立派な伝道師だ。長嶋さんがその生涯を閉じた年の野球を最高の形で締めくくり、日本の野球ここにありを世界中にアピールしてくれた。

 すべて敵地で3勝を挙げ、文句なしのMVPに輝いた由伸。第2戦で完投しながら、延長戦にもつれこんだ第3戦では登板を志願してブルペンで投球練習を始めてさ。そんな姿を見せられたらチームメートは燃えるよね。18回にサヨナラ勝ちして中1日の登板は回避できた。

 そして2勝3敗で迎えた第6戦に6回1失点の好投でチームを逆王手に導き、第7戦は9回途中から中0日の突貫リリーフ。ピンチを迎えても動じず、大和魂を見せつけてくれた。最後はリリーフで頑張った佐々木朗希。由伸の姿に何かを感じたはずだ。今後に生かしてほしいな。

 このオフは巨人の岡本和真やヤクルトの村上宗隆がポスティングシステムでメジャー挑戦する。もうこの動きは止められない。スター選手の「流出」と捉えるんじゃなくてさ。大谷や由伸のように、これだけの感動を日本列島に届けてくれる伝道師がいるんだから。喜んで送り出してあげたい。

 その分、日本野球の土台であるNPBは新しいスター選手をどんどん育てていかないとね。3球団がドラフト1位で競合し、阪神が交渉権を獲得した創価大の立石正広とかさ。楽しみな選手がたくさんいる。期待しましょ。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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