【内田雅也の追球】勝利のカギは「基本」

[ 2025年10月18日 08:00 ]

セ・リーグCSファイナルステージ第3戦   阪神4-0DeNA ( 2025年10月18日    甲子園 )

8回、戸柱の打球を好捕する阪神・小野寺
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 銀色に輝くクライマックスシリーズ(CS)優勝シャーレを手にした阪神監督・藤川球児は「あと4つです」とファンに日本一を約束した。リーグ優勝時に話した「あと3つ勝たないといけません」と似ているが、少しニュアンスが違う。

試合結果

 独走、史上最速でリーグ優勝を決めたチームとして、大差で離したチームとのファイナルステージで敗れるわけにはいかない。2年前、日本一となった後、監督・岡田彰布(現オーナー付顧問)も「CSの方が重圧があった」と漏らしていた。

 その2年前と同じ3連勝、スイープで日本シリーズ進出を決めた。この夜も阪神らしさを発揮しての快勝だった。

 「野球で勝つカギは投手力、守備力、そして3ラン本塁打だ」の名言を残したのは大リーグの名将、アール・ウィーバーである。1960―80年代にオリオールズを率い、リーグ優勝4回、ワールドシリーズも制した。

 その3ランがいきなり出た。1回裏1死一、二塁で佐藤輝明がアンソニー・ケイの初球スライダーを中堅バックスクリーンに放り込んだのだ。

 苦手な投手だった。今季8試合で計5得点、打率1割5分。防御率0・85と抑え込まれていた。1試合で2点を奪うのが最高だったが、初回で3点が入った。「3ラン」の魅力である。

 ただ、その試合を形作ったのは「投手力」「守備力」だった。

 先発・高橋遥人は8回表1死まで無安打の好投だった。支えたのは守備陣である。4回表、筒香嘉智の二塁左へのゴロを中野拓夢が好捕好送球で刺した。6回表、マイク・フォードの右中間に落ちそうな飛球を近本光司がスライディング捕球した。続く蝦名達夫のボテボテはまたも中野が好ダッシュで刺した。8回表、3連打で1死満塁のピンチも小野寺暖が左中間飛球を好捕して救った。

 藤川はお立ち台で「攻撃よりまず守ることに向き合った」と言った。

 ウィーバーの名言で「守備力」と訳されているのは英語「fundamentals」。つまり「基本」である。

 当たり前のことを当たり前にやる。好守や美技の裏にあるのは日々、ノックやドリルを繰り返す基本練習だろう。テーマに掲げる「凡事徹底」に通じている。

 CS突破で、もう重圧などない。勝利のカギを手に日本シリーズに挑むだけである。 =敬称略= (編集委員)

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