【甲子園】京都国際「昨年の甲子園大会春夏優勝校」対決を制した 西村“遅球”操り完投

[ 2025年8月14日 05:00 ]

第107回全国高校野球選手権第8日 2回戦   京都国際6―3健大高崎 ( 2025年8月13日    甲子園 )

<京都国際・健大高崎>力投する京都国際・西村(撮影・北條 貴史)
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 初戦では大会史上初となる「昨年の甲子園大会春夏優勝校」対決は、昨夏日本一の京都国際(京都)に軍配が上がった。優勝候補と目されていた健大高崎(群馬)を6―3で下して3回戦進出。エースの西村一毅投手(3年)が今大会最多160球を投じて3失点完投勝利。京都勢は群馬勢に10勝0敗と無敗を維持し、史上7校目の夏連覇へ好発進した。

 相手の剛速球と対をなすように、京都国際・西村の遅球は止まって見えた。「直球で三振は取れないけど、緩急で打ち取ることはできる」。7奪三振中、直球で奪ったのは2つのみ。相手エース・石垣元の155キロを「速すぎて見えなかった」と笑えるほど、球速勝負に関心がなかった。生命線は正捕手の猪股琉冴が「一回止まる」と表現するチェンジアップ。打者を惑わせて被安打4に抑え、計160球を投げ切った。

 「健大高崎は格上。“ひるんだら負け”と思っていました」

 2―0の3回に2安打3得点を許し、5回終了時点で球数は100球を要した。24イニング自責0だった昨夏の甲子園のような輝きを見せるには、制球が定まらないチェンジアップの修正が必須だった。「(試合中に)狙いをぼやっとさせた」とストライクゾーン勝負の意識に変更し、6回以降は2与四球のみ。今大会最多160球を投じ、マウンドを守り切った。

 退部寸前から救ってくれた親友と約束した甲子園帰還だった。京都大会前、同学年投手で今夏登録外となった出村一真に「絶対に甲子園に連れて行くから。俺の投球見とけよ」と伝えた。実は、高1夏に故障と新型コロナウイルスの感染が重なってプレーできなかった期間に精神が不安定になり、退部を検討していた。西村が「やめるわ」と言った時、「じゃあ俺も一緒にやめる」と引き留めてくれたのが寮で同部屋の出村だった。

 今も出村が相談相手だ。前夜は「緊張でご飯が食べられへん…」と弱音を吐くと、「大丈夫!」と励ましてくれた。出村は練習補助員として聖地に立ち、西村は大会屈指の投手陣に投げ勝った。「格上を倒せたので勢いに乗りたいです」。昨夏王者の結束力は、昨春選抜王者をのみ込んだ。 (河合 洋介)

 ◇西村 一毅(にしむら・いっき)2007年(平19)7月7日生まれ、滋賀県甲賀市出身の18歳。小2から水口少年野球団で野球を始め、中学では近江ボーイズに所属。京都国際では1年秋から背番号11でベンチ入り。2年夏の甲子園優勝に貢献し、2年秋から背番号1。50メートル走6秒5、遠投100メートル。1メートル77、70キロ。左投げ左打ち。

 ○…京都国際の打線も躍動した。健大高崎のプロ注目投手陣から10安打6得点。初回1死一、三塁で4番・清水詩太がスクイズ(記録は犠打野選)に成功して先制。1点劣勢で迎えた3回は2死一塁から山口桜太と猪股琉冴の連続適時打で逆転した。猪股は「つなぐバッティングができた。低く強い打球を徹底した」と手応えを口にした。3番手左腕・佐藤龍月からも2点を奪い、7回から登板したエース右腕・石垣元気からも2安打をマーク。練習時は打撃マシンの球速を最速に設定するなど、好投手攻略へ向けた対策が実った。

 ▼阪神・中川(21年度卒京都国際OB)勝つかなと思っていました。試合は見られませんでしたが、心配はなかったです。(夏)連覇を目指してほしいです。

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