時流読む榊原コミッショナーの尽力でセ・リーグDH制実現 就任直後に問題提起

[ 2025年8月5日 05:30 ]

セ・リーグ 27年シーズンからDH制導入

榊原定征コミッショナー
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 【記者の目】セ・リーグDH制導入の背景には、榊原定征コミッショナーの尽力があった。22年12月の就任時に課題の一つに掲げたのが、セ・パ両リーグのルール統一。直後の23年1月の12球団監督会議で「セ・リーグのDH制はどうか」と問題提起し、膠着(こうちゃく)状態だった問題にメスを入れた。3球団あったセの「反対派」との対話に自ら乗り出した。

 骨の折れる説得だったと推測する。反対派球団の幹部は一時、かたくなだった。DHとしてレギュラー選手が1人増えることで年俸総額が上がる金銭事情もあるが「感情論」の側面があったからだ。コミッショナー就任前の20年12月に巨人がコロナ下での暫定的DH制導入を提案。制度化を急ぐ提案の仕方に他球団幹部が拒絶反応を示した、と当時の取材で聞いた。巨人幹部に反対を伝える直電を入れた球団幹部もいたという。

 82歳の榊原コミッショナーは東レ社長時代から冷静かつ戦略的な思考の持ち主として知られる。経団連会長を務め、常に世界の動きを見据えてきただけに「世界の潮流に柔軟な姿勢で臨むのは重要なこと」と語る。DH制は国際大会では標準。22年にはナ・リーグでも始まり、国内アマ球界の導入ラッシュも重なった。

 水面下では16年9月からセ理事会で「意見交換」として議論が行われてきた。社会全体でも当時と比べ「導入賛成」が圧倒的支持を得るようになった。時流を読み、プロ野球に大きな節目をもたらした。(プロ野球キャップ・神田 佑)

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