2年前に見届けた涙の夏 次は「プロで」有言実行 先発として初勝利も ロッテ・木村

[ 2025年7月5日 08:00 ]

ロッテ・木村
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 たった一度の取材でも、その後がずっと気になる。そんな選手が各球団に何人かいて、ひそかに応援し、結果を気にしている。ロッテの2年目右腕・木村優人投手もその一人だ。

 7月。全国では夏の甲子園の地方大会が花盛りとなる。アマチュア野球担当の記者だけでは手が足りなくなり、自分のようなプロ野球担当記者も手伝いに動員される。普段は取材する機会のない高校野球。球児の汗と涙、キラキラとした瞳、泥だらけになっての懸命なプレーに引き込まれ、取材した選手の「その後」も気になって仕方がなくなる。

 2年前の23年7月26日、ノーブルホームスタジアム水戸で取材したのは霞ケ浦と土浦日大の茨城大会決勝。霞ケ浦のエースがプロ注目の木村だった。試合は8回を終わって霞ケ浦が3―0でリード。完封ペースの好投に、こちらも原稿の準備や会社のデスクとの打ち合わせを始めた直後の9回、まさかの展開がまっていた。

 右腕は7安打を集中されて5失点。逆転を許し、つかみかけていた甲子園が夢と消えた。「どうしても気持ちが先走って…。投げ急いでしまった」。下を向いて唇をかむ木村に、負けたばかりで酷とは思いながら、こちらも質問しなければいけない。「今後は…」。18歳の若者がきっぱりと言った言葉は今も覚えている。「プロで」。そして「次のステージでも勝てるように。今日の反省を生かして信頼される投手になりたい」と続けた。

 2年目の今季は16試合に登板して2勝1セーブ、防御率2・97。今月2日の楽天戦では先発として初勝利も挙げた。あの夏の暑い日。悔し涙とともに「信頼される投手に」と誓った木村が、これからどこまで成長するのか楽しみにしたい。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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