【虎番リポート】甲子園のゴミ拾いで日々徳を積む阪神・坂本に〝景気のいいこと〟が待っていた

[ 2025年6月10日 05:15 ]

阪神・坂本
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 正午過ぎの甲子園。阪神園芸の整備車がグラウンドをならし6時間後のプレーボールへ準備を進める中、阪神・坂本の“準備”は始まる。

 右翼側のリリーフカーの出入り口に姿を見せるとグラウンドに一礼。そこから球場を何周もランニングして、室内での打撃練習へ備えて体を温める。ずっと続けている本拠地でのルーティン。そんな姿をアルプス席から何日も定点観測しているとあることに気づく。

 ランニング中、坂本は走路に落ちているゴミを拾ってポケットにしまう。それも、1度ではなく何度も。時にはストローか枝か、ポケットには収まらないゴミをつまみながら、すれ違った球団スタッフに渡すこともあった。ひと汗かいた坂本に「今日もゴミを拾っていたね」と話しかけると、少し頬を緩めた。

 「自分のゴミは自分で捨てるというのが当然だと思うので、何でゴミがあるんだろう?というのが最初です(笑い)。でも、子供の世話をしながらどうしても捨てられなかったり、風で飛んでしまったり、仕方ない理由もあると思うので」

 試合後、観客がいなくなったスタンドで深夜まで残ったゴミを回収する幾多のスタッフがいることも当然、坂本は知っている。

 「掃除をしてくれるたくさんの人がいて試合ができているので凄く感謝しています。甲子園にその日だけしか来られない人が、ゴミを見て“甲子園ってゴミがあるんだ”と思われたくないし何よりここは自分の仕事場でもあるので。奇麗にしたいなというシンプルな気持ちですね」

 昔、ある内野手が「何か良いことがあるかもしれない」と徳を積む意味でも、土のグラウンドに落ちているゴミを拾っていたが、坂本も「野球で良いこと…ちょっとだけ(期待します)」と笑った。

 実は、そのやり取りをしたのはオリックス戦があった7日。その試合の8回に坂本は自身4年ぶりとなる今季1号3ランを放った。翌日、再び坂本に声をかけると久々の一発の感触をよそに“良いこと”を教えてくれた。

 「次の日が日曜日だったので娘も起きていてテレビでホームランを見てくれていました。帰ったら、お祝いのケーキを描いた絵をプレゼントしてくれました。本物のケーキじゃないんかい、と思いましたけど(笑い)」

 徳を積めば…その先にはこんな“良いこと”が待っているのだ。(遠藤 礼)

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