オリオールズ・菅野智之がメジャー初勝利 5回1/3を5安打1失点、円熟右腕が敵地ファン黙らせる投球術

[ 2025年4月6日 07:48 ]

ア・リーグ   オリオールズ8ー1ロイヤルズ ( 2025年4月5日    カンザスシティー )

ロイヤルズ戦に先発したオリオールズの菅野智之(AP)
Photo By AP

 オリオールズの菅野智之投手(35)5日(日本時間6日)、敵地でのロイヤルズ戦に先発。5回1/3を5安打1失点と好投し、メジャー初勝利を挙げた。チームメートからの握手攻めにベテラン右腕から会心の笑顔がこぼれた。

 完ぺきな立ち上がりだった。3回2死まで打者8人を完全に封じた。3回2死から安打と四球で一、二塁とされたが、続く2番・ウイットをきっちり一ゴロに打ち取った。4回も3者凡退と危なげなし。5回、連打で無死一、二塁とこの日最大のピンチを背負ったが、慌てず騒がず、そこから後続を3人でピシャリと抑えてスコアボードに「0」を並べた。

 味方打線の援護で6―0と大差がついて迎えた6回、先頭のウィットに本塁打を許すと、さらに安打と死球などで1死一、二塁とされたところで降板を告げられた。5回1/3で89球を投げ、5安打1失点、4三振、2四死球。直球を軸にカットボール、スライダー、スプリット、ツーシームなど多彩な持ち球を使い、ストライクゾーンを幅広く使った。ストライク率は89球中59球で・663。ベンチもバックも安心して見ていられた投球だった。

 メジャー初登板となった3月30日(日本時間同31日)のブルージェイズ戦では、思わぬアクシデントで途中降板を余儀なくされた。5回開始前の投球練習時に、手に異変が生じた。マウンド上でブランドン・ハイド監督、投手コーチ、トレーナーと協議し、デビュー戦のマウンドを去った。

 チームの発表は「両手のけいれん」だった。巨人時代も手がつって降板した経験があるという菅野は「4回から左のグラブの中でつっていて、嫌だなと思っていた。(5回の前に)右手もつり始めて、1球投げたらもう指はくっついちゃっていた。一回つっちゃったらもう無理」と唇をかんだ。緊張や屋内球場が想定よりも暖かく、汗を大量にかいたための脱水症状とみられた。

 NPBで通算136勝。2度の沢村賞、3度のMVP、4度の最多勝、最優秀防御率など輝かしい実績を残してきたベテランでさえも、“初めての舞台”は何もかもが違った。「想像していた通り、素晴らしい空間だなと思いました」としながらも「あんなに初回からストライクが入らなくなることは人生で一度もないんですけど、いい経験になったと思います」と苦笑いだった。緊張感もアクシデントを誘発する一因だった。

 ベテランは初登板の反省を生かし、確実に修正を施し、この日の投球につなげた。日本投手では上原浩治の34歳0カ月を抜いて歴代最年長となる35歳5カ月での先発デビューを果たした“オールドルーキー”がつかんだメジャー初勝利。日本が誇る円熟右腕の快進撃はまだ始まったばかりだ。

「菅野智之」特集記事

「大谷翔平」特集記事

野球の2025年4月6日のニュース