阪神・木浪が証言 「代打の神様」の日常は、レギュラー選手よりも濃い〇〇 原口が後輩に慕われる理由

[ 2024年9月15日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神4―3広島 ( 2024年9月14日    甲子園 )

<神・広>7回、同点適時打を放つ原口(撮影・北條 貴史)
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 阪神7回の攻撃、「代打・原口」の名前がコールされると、既に最高潮に達していた聖地・甲子園のボルテージはさらに上がった。1点差に迫り、なおも7回1死満塁。1ボールから森浦の真ん中低め直球をコンパクトにはじき返した。

 「自分のスイングをしようと。しっかりタイミングを取って、と心がけて(打席に)入りました」

 打球は三遊間を破る値千金の同点打。捕手2人体制を敷いていることで、有事の際の“第3捕手”として待機する必要もあり、出場は8月25日の広島戦以来、14試合ぶりだった。それでも、日本一まで上りつめた昨季、チームの合言葉となった「バモス!」と一塁ベース上で叫んだのは、一打席に懸ける気持ちの表れ。中盤までの敗戦ムードから、わずか2安打で3点を奪って同点にした打者9人攻撃の主役を張った。異様な盛り上がりを見せた聖地の雰囲気を一身に感じて力に変えた。

 「去年優勝した時ぐらいの(歓声)。僕もちょっと(記憶が)よみがえりました。いいイメージが湧きました」

 一打席、一球でその日の仕事が完結する厳しい代打稼業の世界でも、並外れた準備力が結果に直結する。常に細かく相手投手のデータをチェックし、カウントによって変わる狙い球も全てインプットして打席に向かうのが原口流。どのレギュラー選手よりも、決め球や得意球が書かれたデータ用紙と、向き合っている時間が一番長い。それがチーム内の日常の光景。木浪は「そういう姿を僕たちは見ている。だから原口さんは皆から慕われる。チームが苦しい時、先頭に立って救ってくれる」と証言する。

 前日はドラフト同期で同学年の秋山が引退を発表。一年でも現役を長く――という思いを託された。「(みんな)一試合一試合、目の前の試合に勝つことに集中している。変なプレッシャーもなく自分たちの野球ができている」。梅野と並ぶ野手最年長の言葉は、何よりも頼もしい。(石崎 祥平)

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