記者の意地悪な「内角直球」に快音残した18歳佐々木麟太郎 最後の言葉は「ありがとうございます」
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花巻東(岩手)を卒業して米スタンフォード大に進学する佐々木麟太郎内野手(18)が4日、都内で開かれた日本スタンフォード協会主催の「佐々木麟太郎 壮行会」に出席した。歴代最多の高校通算140本塁打を放ったスラッガーを激励するために、同大OBの塩崎彰久衆院議員(47)やOBを親に持つ小学生ら約80人が参加。「失敗から学んで経験を積む覚悟を持っている。最後まで粘り強く大学生活を送りたい」と誓っていた。
記者は20年に公務員から一念発起してスポニチに転職。記者生活5年目を迎え、取材の「イロハ」がやっと分かってきた。
野球選手の取材では簡単に書くと(1)事実関係、(2)コメント、(3)ネタ、が必要となる。この日は壮行会が始まる前に主な来場者と人数や会の成り立ちなどを把握でき、(1)事実関係はクリアしていた。壮行会が始まると最初に麟太郎があいさつ。そこで米留学への決意した経緯や意気込みなど語られ(2)コメントも得ることができた。そして次の質疑応答では麟太郎が同大OBに「英会話習得について」などを質問。よって(3)ネタも最低限聴取することができたといえる。
最後にテレビや新聞社による「囲み取材」が残されていた。このように取材前に(1)、(2)、(3)が確保できている状況では(3)ネタをできるだけ分厚くするのがベター。(2)コメントに含まれる「野球や学業への意気込み」の大部分は既に壮行会の中で語っていたので、同じ系統の質問はしたくない。可能な限り、いままで聞いたことがない(3)ネタを引き出したい。
「野球や学業に関係ないくだらない質問をするな」と思う方もいるかもしれないが、ドジャース・大谷翔平選手への「犬の名前は?」という質問はその後の「デコピンブーム」を呼んだ。(3)ネタ、はくだらないかもしれないがみんなが興味を抱きやすい重要な質問でもあると記者生活で学んだ。(3)に関する質問は内角直球のようなものと思っている。思い切って投げ込んだボールに選手がどう反応するか、回答に人としての一面がにじむ。
記者による「囲み」は進み、広報担当者による「ラスト一問です!」の声が飛んだ。そこで記者は「ぜひ意気込みを英語で聞きたいです」と内角直球を投げた。我ながらくだらない質問だが、麟太郎が米国で野球と学業を両立するためには英語力の向上は避けて通れない。そしてどんな回答をするか予想がつかなかったからこそ、新たな一面が見えるかもしれないと思った。
18歳の麟太郎は見事に打ち返してきた。「まだまだ英語で話せる段階ではないので、いつか(米国)で話せるようになって、メディアの皆さんにそういう形(英会話)で対応できる日がくれば光栄だと思います。そういう目標を持つことが上達にもつながるんじゃないかなと思います。凄く1個良い目標をいただきありがとうございます」。くもりのない笑顔で言った。花巻東で1個ずつ目標をかなえてきた麟太郎らしい回答であり、18歳とは思えない回答。ちょっと意地の悪い内角直球に快音を残した。
足下を見つめ、一歩ずつ踏みしめていく決意が回答にも現れた麟太郎。今月下旬、渡米する頃には記者は高校野球の選抜大会で甲子園にいる。おそらく麟太郎とは当分会うことはないだろう。誰も経験したことのない道を歩む大器。道となる一歩、一歩を遠く離れた日本から見守りたい。(柳内 遼平)
<取材後記>
昨年のドラフト戦線において圧倒的に「麟太郎推し」だった。記者は麟太郎の1年時から高校生離れした長打力を現場で目に焼き付けてきた。ネット上には「練習試合で荒稼ぎした本塁打」と書き込みもあったが、東北屈指の名門である花巻東の練習試合の相手は名のなるチームばかり。正直言うと岩手大会の1、2、3回戦で対戦するチームより、よほど本塁打を打つことが難しい相手からホームランを量産していた。そして逆方向にも特大ホームランを生むスイング。記者のNPB審判員時代にもあそこまでのハードスイングはソフトバンク・柳田ら数人しか見たことがない。甲子園で本塁打が出なくても「そんな次元ではない」と思っていた。昨年10月の鹿児島国体で麟太郎は記者の目の前で「米大学留学」を宣言。1メートルの距離にいた麟太郎が、どこか遠くに行ってしまう感覚だった。自分の信じた選手が「NPBでどこまでやれたか」も気になったが、いまは違う。きっと日本の高校野球に新たな「麟太郎ルート」を生み出すと信じている。
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