楽天パワハラ解雇の安楽智大 メキシカンリーグ入り目指す 力を発揮できる新天地模索

[ 2024年2月22日 02:00 ]

安楽
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 後輩選手へのパワーハラスメント(パワハラ)行為で、楽天から自由契約となった安楽智大投手(27)がメキシカンリーグ入りを目指していることが21日、分かった。

 安楽は昨年11月下旬にパワハラ疑惑が表面化。球団は選手らに情報提供を求めるアンケートを実施し、同30日の会見では報道された暴言や下半身露出の強要など一連の行為を「ほぼ事実」と認定し、約10人が直接被害を受けたことを公表した。「大変申し訳ない」と謝罪した安楽だが12月1日に公示された保留選手名簿から外れ、事実上の解雇となった。

 球界関係者によると、安楽はその後、仙台市内の自宅を引き払い、拠点を国内の違う場所に移して現役続行を目指していた。150キロを超える直球を武器に中継ぎ投手として活躍。昨季もチーム3番目の57試合に登板した右腕は年齢も27歳と若く、力を発揮する新天地を模索していた。

 同じアジアにプロリーグがある韓国や台湾の球団に売り込みをかけたという情報もある。交渉が思うように進まない中で活路を見いだしたのが、メキシカンリーグだった。同リーグは、メジャーで投手として活躍したマック鈴木や田沢純一もプレー。安楽にとって、メキシコはプロ2年目の16年に日本代表として出場し、優勝したU23W杯の開催地でもあり、思い出の場所だ。

 パワハラは決して許されない行為だが、立ち直る機会も必要だ。楽天の森井誠之球団社長も「前所属球団として、しっかり面倒を見てあげたい」と話していた。済美(愛媛)時代に甲子園を沸かした27歳が、メキシコの地で再起をかける。

 ▽メキシカンリーグ 1925年に創設されたプロリーグで、国内各都市を本拠地にした18チームが北地区、南地区に分かれて4~9月にレギュラーシーズンを行う。大リーグの3Aクラスの実力といわれ、多くの選手が大リーグ移籍を目指すなどレベルは高い。日本選手ではマック鈴木、久保康友、荒波翔、中村勝、田沢純一、高木勇人、乙坂智らが過去にプレーした。冬場にはウインターリーグも開催され、NPBから参加する選手も多い。

 ◇安楽 智大(あんらく・ともひろ)1996年(平8)11月4日生まれ、愛媛県出身の27歳。済美では2年時の13年に選抜準優勝、同年夏の甲子園で3回戦進出。14年ドラフト1位で楽天入団。15年10月5日のソフトバンク戦で球団の高卒新人では初となる初登板初勝利を記録。1メートル86、87キロ。右投げ左打ち。

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