ドジャース・由伸 開幕2戦目有力でダルと投げ合いも 開幕戦デビューなら81年ぶり

[ 2024年2月22日 02:30 ]

ドジャース・山本由伸
Photo By スポニチ

 ドジャースの山本由伸投手(25)が3月20、21日にソウルで行われるパドレスとの開幕シリーズのいずれかに先発登板し、メジャーデビューすることが決まった。20日(日本時間21日)、デーブ・ロバーツ監督(51)が明言。第2戦の先発が有力視されるが、デビュー戦で開幕投手を務めれば1943年のアル・ガーホイザー(フィリーズ)以来の快挙。今季は打者に専念する大谷翔平投手(29)も開幕戦に照準を定めてきた。

 ロバーツ監督は、揺るがぬ信頼を口にした。アリゾナ州でキャンプを張る15球団の監督、GMらが取材に応じる恒例のメディアデー。最多となる30人以上の日米メディアが詰めかけたドジャースのブースで、指揮官は山本を3月20、21日に行われるパドレスとの開幕2連戦に先発させる考えを明かした。

 「順当だと思う。何事もなければ任せたい」

 報道陣からレイズから新加入のグラスノー、山本が開幕シリーズに登板する可能性を問われると、即座にそう答えた。キャンプイン当初からブルペン投球はグラスノーの翌日に山本が組み込まれるという流れ。順当なら20日の第1戦はグラスノー、21日の第2戦に山本の順が有力だ。

 一方で、グラスノーに故障を含めた有事が発生すれば、山本が20日のオープニングゲームに繰り上がる可能性が高い。大リーグ公式サイトのサラ・ラングス記者によれば、開幕投手としてメジャーデビューを果たせば1943年のアル・ガーホイザー以来、81年ぶりの快挙。さらに、そのまま28日(日本時間29日)の本拠地開幕・カージナルス戦へ向かうことも予想される。

 調整は順調そのものだ。山本は17日に今キャンプで初めて実戦形式で打者と対するライブBPに登板。ベッツ、フリーマンのMVP経験者2人を含む主力6人に28球を投げ、安打性の当たりは1本のみに封じた。登板後はロバーツ監督に20秒間も背後から抱きつかれるなど、周囲に絶大なインパクトを与えた。

 山本は21日(同22日)にキャンプ4度目のブルペンに入る予定。その後、再びライブBPに登板し、来週中にオープン戦で実戦デビューを果たす。開幕シリーズ先発へ向けて流動的な部分は残るが、指揮官は17日の登板後に「先発の軸になると確信している」とも語った。既に首脳陣のハートをがっちりつかんでいると言っていい。

 投手史上最高額となる12年総額3億2500万ドル(決定時約462億円)の大型契約を結んだ山本のメジャー第1章。まだ試合で1球も投げていない右腕の評価は、ここからさらに上がっていく。(杉浦大介通信員)

 ≪藤浪以来史上5人目に≫パドレスは3月20日の開幕戦に右腕マスグローブ、21日の2戦目はダルビッシュの登板が有力視されている。ダルビッシュは、19日にキャンプ2度目のライブBPに登板し打者7人に対し1奪三振。「今のところ健康に投げられている。そういう意味では順調」と話していた。山本が2戦目に回れば、早くも投げ合いが実現する可能性も。メジャー移籍1年目の日本選手が開幕2戦目に先発すれば、昨年のアスレチックス・藤浪以来史上5人目となる。

 ▽山本のオリックス時代の開幕投手 21、22年の2度。入団5年目で初の開幕投手を務めた21年3月26日の西武戦は、7回6安打4奪三振4失点(自責1)で黒星。翌22年3月25日の西武戦は8回3安打9奪三振無失点。前年からレギュラーシーズン自身16連勝となる白星を挙げた。

 ≪1943年の世相≫1943年(昭18)、日本は太平洋戦争のただ中で、2月には日本軍がガダルカナル島から撤退。12月には学徒出陣が始まった。プロ野球は野球用語が英語から全て日本語になり、金属回収のために甲子園球場の銀傘が解体された。シーズンは巨人が優勝。肩、肘を痛めるなどしていた沢村栄治はこの年で引退。翌44年に戦死した。大リーグはヤンキースが世界一。41年に打率4割、42年に3冠王のテッド・ウィリアムズ(レッドソックス)、41年に大リーグ記録の56試合連続安打をマークしたジョー・ディマジオ(ヤンキース)らは43年に兵役に就いた。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年2月22日のニュース