広島ドラ3益田 プロでも村上斬りだ 東京ガスの153キロ右腕 先発、中継ぎ、抑えの経験生かす

[ 2022年10月28日 05:00 ]

カープ帽をかぶり記念撮影する東京ガス・益田(撮影・河合 洋介)
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 広島ドラフト3位の益田武尚投手(24=東京ガス)が27日、東京都大田区内の同社グラウンドで尾形佳紀、高山健一両スカウトから指名あいさつを受けた。今月のヤクルトとの練習試合で村上から空振り三振を奪った本格派右腕。プロでも「村神様」斬りを目指し、森下、栗林とチームの即戦力右腕の受賞が続く新人王を目標に掲げた。

 最速153キロを誇る直球には自信がある。「高めの真っすぐは勢いある球を投げられているのかな」。益田には、その武器で再び勝負したい相手がいる。日本選手最多56本塁打を記録して3冠王にも輝いたヤクルト・村上だ。

 「練習試合だったので、自信を持てるかは分かりません。ただ、あの打席の中でも何球かは、いい球を投げられた。その確率を増やしていきたいと思います」

 今月8日、クライマックスシリーズを直前に控えたヤクルトとの練習試合に先発する機会に恵まれた。そして、初回に対戦した村上に真っ向勝負を挑み、148キロ高め直球で空振り三振を奪った。しかし、強く印象に残っているのは、村上の2打席目だという。ボール気味の低めスライダーを右前に運ばれた。

 「社会人とプロの差にかなり驚きました。スイングの速さやバットに当てる技術が凄いなと思った。そこに対応できる球や精神面を磨かないといけない」

 球団は1位候補に挙げるほど高く評価しており、高校生を1、2位で連続指名する方針だった中で幸運にも縁に恵まれた。尾形スカウトは「強い直球に精度の高い変化球もある。1年目から勝負してほしい」と即戦力として通用するとみている。起用法は来春キャンプで首脳陣が判断する方針。「社会人で先発から中継ぎ、抑えと全て経験できたのは大きい」と、チーム状況に合わせられる器用さもアピール材料とする。

 「まずはチームに貢献したい。その上で新人しか狙えない新人王を獲れるように練習していきたいです」

 今年の社会人3投手の中で最上位指名と球団からの期待は大きい。「高い評価をしていただいた。そこに応えられるように頑張ります」。広島は今季、村上にチーム別最多タイの13本塁打を献上した。ヤクルトからのV奪還には、村上封じが不可欠。プロでも真っ向勝負を挑み、新井政権1年目から力になる。(河合 洋介)

 《益田武尚(ますだ・たけひさ)あらかると》
 ☆生まれとサイズ 1998年(平10)10月6日生まれ、福岡県出身の24歳。1メートル74、84キロ。右投げ右打ち。

 ☆球歴 小4で野球を始める。嘉穂(福岡)時代は最速145キロながら甲子園出場なし。北九州市大では1年春からベンチ入りし、リーグ通算33試合で12勝9敗、防御率2.55。東京ガスでは21年の都市対抗野球で優勝。

 ☆新監督 新井監督は現役時代からテレビで見てきた憧れの存在。「プロスピ(携帯ゲーム『プロ野球スピリッツA』)でよく使っています。プロスピの世界の人なので、不思議な感じがします」

 ☆座右の銘 強いて挙げるとすれば…と前置きして「凡事徹底」。報道陣から新井監督がよく口にする言葉と聞くと、「よかったです。これからの座右の銘が決まりました」。

 ☆好物 お好み焼き。広島出身の同僚と広島焼きを提供する飲食店に足しげく通い、「めちゃくちゃうまい」。広島県民を意識してか最後まで「広島風」とは言わず。

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