広島・森下 3度のリード守れず、阪神と2差後退…遠のく逆転CSも佐々岡監督「あと8試合勝つしかない」

[ 2022年9月15日 04:45 ]

セ・リーグ   広島5-6阪神 ( 2022年9月14日    甲子園 )

<神・広>9回、ベンチから試合を見守る森下(手前)(撮影・平嶋 理子)
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 広島は14日、阪神との直接対決第2戦に5―6で惜敗し、同率3位浮上はならなかった。中5日で先発した森下暢仁投手(25)が3度のリードを守れず逆転を許し、6回途中6失点の背信投球で8敗目。相手を上回る13安打も実らず、3位から再び2ゲーム差に開いた。5位転落で逆転でのクライマックスシリーズ(CS)進出は厳しい情勢でも、残り8試合に気力を振り絞る。

  快音を発した打球が甲子園の右中間を抜けると、森下の表情は苦悶(くもん)にゆがんだ。会沢の適時打で4―3とした直後の6回1死一、二塁。梅野に高め直球を捉えられ、2点逆転三塁打を浴びた。降板。ベンチへ引き揚げる足取りは重かった。

 「どの球種も微妙という感じでしたが、それでも何とかしないといけない。勝たないといけない試合を2つ落としているので…」

 2番手・森浦が代打・マルテに中犠飛を許し、森下は結局5回1/3で7安打6失点。勝てば同率3位に浮上する一戦だけに、背信のそしりは免れない。普段の打者を圧倒する姿は見られず、“らしくない”投球が立ち上がりから続いた。

 味方打線が2点を先取した初回、中野と糸原に7球直球を続けてピンチを招き、いともあっさり同点。2回以降は立ち直ったかに見えたが、味方が1点を勝ち越した5、6回と立て続けに失点し、逆転さえも許した。

 チーム随一の安定感を誇る右腕からは想像できない、3度の勝ち越し劇の直後に全て吐き出す乱調。佐々岡監督は「味方が点を取った後というところが…ね。取った後に取られると、流れは当然悪くなる」と首をかしげた。

 4月以来、今季2度目の中5日。右指のマメの影響を考慮され、当初は中7日で16日のDeNA戦が検討されていた。「好投すれば阪神に投げられると思い、(8日の)中日戦は力が入りました」。敗戦投手にはなったものの、7回1失点で全快をアピール。直接対決の重要性を理解するからこそで、この阪神戦に懸けていた。

 3位・阪神とは再び2ゲーム差に開き、直接対決2試合を含めて残りは8試合。指揮官は「あと8試合を勝つしかない。そう言う気持ちで戦うしかない」と力を込める。無論、森下も同じ気持ちだ。

 「何とか、残り試合で投げさせてもらえるところで、結果を残したいと思います。それしかないです」

 自己最多に並ぶ10勝から、4度足踏みが続いて2敗。敗戦の重みと悔しさは、誰に指摘されるまでもなく本人が一番感じている。今季残る登板は21日の阪神戦を含めて恐らく2試合。本来の強い姿を見せ、雪辱するしかない。(江尾 卓也)

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