激務何の!新井、練習復帰…いきなり早出特打

[ 2011年3月29日 06:00 ]

新井は他の選手がグランドに姿を見せない早い時間に、汗を飛ばしながら打撃練習した

 打撃不振が続いている阪神の新井貴浩内野手(34)が28日、京セラドームで行われた全体練習で全快をアピールした。労組・選手会会長として開幕問題に奔走、疲労がピークに達したことから26日の練習を強制的に早退させられたが、休日を挟んだこの日は早出特打を行うなど精力的にバットを振り込み、「いい練習ができた」と上昇気配。29日から2日間行われる中日との実戦形式の合同練習で、虎の4番が完全復活を遂げる。

 自らのバットで爽快かつ豪快に“リスタート”を切った。全体練習開始時間から45分前の12時15分。一番乗りで球場に現れた新井はまっすぐにバッターボックスへと向かった。

 「和田さん(打撃コーチ)に“休み明けにやるぞ”といわれていた」と明かした早出特打。まずはロングティーで51球を打ち込み体を温めると、休むことなくフリー打撃を開始した。「バットの角度というか打球の質、軌道を確かめてからやろうと思っていた」。序盤は右方向への打球を意識して快音を残したかと思うと、中盤以降は3連発を披露するなど182スイングでサク越え10本。和田、片岡両打撃コーチが見守る中、約1時間も一心不乱にバットを振り続けた。その後も通常の打撃練習で41スイング中サク越えは4発。この日はロングティーも含めて計274スイングをこなした。

 紆余曲折あった開幕問題。労組・プロ野球選手会会長としてまさに東奔西走の激務をこなした。勝ち取ったといえるセ・パ同時開幕だったが、代償もまた大きかった。心身両面での疲労蓄積はプレーにも影響を及ぼした。16日のオリックスとの合同練習で中前打を放って以来、オープン戦を含めて24打席無安打。26日の甲子園の室内練習場で行われた練習では体調を考慮した和田打撃コーチから「きょうは絶対にすぐ上がれ」と“早退”を促された。それでもこの日の濃密な1日に新井は「いい練習ができた」と復調へ確かな手応えを見せた。

 今後も調整ペースを落とさず実戦機会を養っていく。新井の疲労について問われた真弓監督も「あれだけ特打やってるぐらいなんだから。(4番の変更も)そんなん全然考えてない」と変わらぬ信頼を示した。「ずっと自分のスイングがほとんどできていないので。実戦でできるようにしていきたい」。「4・12」を見据え主砲のバットがここから上昇カーブを描く。

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2011年3月29日のニュース