松井逆転2ラン!イチロー左手のわずか先に着弾

[ 2010年9月3日 06:00 ]

<マリナーズ・エンゼルス>七回表二死三塁、右越え二点本塁打を放つエンゼルス・松井

 【エンゼルス4―2マリナーズ】エンゼルスの松井秀喜外野手(36)が1日(日本時間2日)、マリナーズ戦で1点を追う7回に日米通算490本塁打となる逆転の18号2ランを放った。今季は相手先発が左腕投手の場合はスタメン落ちするケースが多かったが、8月以降に限れば対左腕は打率・556(9打数5安打)と本来のキラーぶりが復活。エ軍残留も含め来季以降もメジャーでのプレーを熱望したばかりの松井が、シーズン終盤にきて猛アピールを続けている。

【試合結果


 その瞬間、松井の表情が少しだけ緩んだ。2日前はイチローが一歩も動けない、2階席へ今季自己最長となる131メートルの特大アーチ。この日は背番号51がフェンスに右手をかけてよじ登り、出した左手のグラブのほんのわずか先に着弾した。
 「振り切れたけど、若干詰まっていたので、微妙でしたね。距離自体がいくかどうか分からなかった。その(捕られる)可能性もあると思って走っていました。いい風が吹いていたのかもしれない」
 マ軍先発バルガスからは通算3本塁打。とはいえ、7月の対戦では3打数無安打に封じられていた。そのときは外に逃げるカットボールを意識するあまり、内角にシュート気味に食い込む直球にバットをへし折られた。その反省から「内角をあまり深追いしないように、ボールになる球は打ちにいかないように気をつけた」と、内角の見極めに重点を置いた。そして本塁打の打席では外角スライダーの後、内角を狙った直球が甘く入ったのを逃さなかった。
 今季は開幕当初から左腕を打ちあぐね、シーズン途中から相手先発が左腕のときはベンチを温めることが「当たり前」となってきた。しかし、昨季までメジャー7年間で対左腕の打率は右腕(・291)を上回る・294と元来が左キラー。そして今季も8月以降の対左腕は打率・556。優勝争いはもちろん、プレーオフ争いからも後退したことで、9月は来季も見据え若手を起用する可能性も考えられるが、ソーシア監督は「今季ずっとそうだったように、これからも重要な存在」と、残り試合でも出場機会を与える方針を示唆した。
 今季の不振について、松井は「出た結果はもう受け入れている。現時点では自分の力はそういうことだって思うしかない。この後良くしていくにはどうするのか、それしかない」という。その上で、自身の両ひざの状態から日本球界復帰を完全否定する松井。メジャーで1年でも長くやるためには、たった1シーズンで「左腕は苦手」のレッテルを張りつけられるわけにはいかない。

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2010年9月3日のニュース