喜び爆発の張本智和 8歳年上相棒の頭ぽんぽん「とにかく触れたいなと」卓球全日本選手権

[ 2023年1月28日 19:24 ]

卓球全日本選手権第6日 ( 2023年1月28日    東京体育館 )

男子ダブルスで優勝し、笑顔を見せる張本智和(右)、森薗政崇組
Photo By 代表撮影

 男子ダブルス決勝で、張本智和(IMG)森薗政崇(BOBSON)組が及川瑞基(木下グループ)松島輝空(木下アカデミー)組を3―1で破り、同ペアとして初優勝を果たした。張本智は19年以来のダブルス制覇で、今大会は混合ダブルスと合わせた2冠目を獲得。シングルスでも4強入りを決め、一般男子では82、83年度の斎藤清以来、史上2人目の3冠へあと2勝に迫った。

 歓喜の瞬間、張本智が驚きの行動に出た。第3ゲームまで全てジュースにもつれ込む接戦を制した喜びが爆発したのか、まずはその場で“ハリバウアー”を繰り出し雄叫び。続いて8歳年上ながら頭一つ小さな森薗に歩み寄ると、包み込むようにハグを交わし、離れる際に右手で頭をぽんぽんと2度、軽く叩いて労をねぎらった。

 これが少女漫画ならば胸キュンのシーン。だが2人は間違いなく男性で、しかも後輩の張本智が先輩の森薗を“マウント”するような格好となった。表彰式後の優勝会見。問題のシーンについて問われると、軽妙なやり取りが繰り広げられた。

 森薗「何で叩いた、おまえ」

 張本智「本当にうれしいと、自分でもちょっと分からない(行動に出る)。とにかく触れたいなと。抱きつきたい、触りたいという気持ちが(出た)」

 森薗「もしかしたら、好き?俺のこと好き?」

 張本智「ダブルスだし、2人で一緒に喜びたい。その表現の仕方が正解ではなかったかも知れないが、ありがとうという気持ちで、全身を使ってしたつもり。決勝で厳しい場面で冷静ではいられないので、そこはちょっと理解してもらいたい」

 森薗「ちょうどいいところに俺の頭があったかも知れない。身長差があるので、ちょうど手を伸ばしたところに僕の頭があったかも知れない」

 それぞれの立場で活動し、今大会の前もダブルスペアとしての練習は30分程度だったという張本智と森薗。体格も戦型も異なる2人だが、準決勝、決勝ともに苦境続きだった試合中には鼓舞し合って接戦をものにするなど、相性は抜群だ。昨年は決勝で2―0リードから優勝を逃し、「日本で一番強い張本と組んで結果を出せずに責任を感じた」という森薗。「最初はずっと引っ張ってもらった。ダブルスを教えてもらっている感じだった」と感謝の言葉を口にした張本智も、「力を合わせて勝てた。最高です」と心の底から喜んだ。

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