アルペン界のレジェンド・佐々木 10季ぶり国内大会復帰も途中棄権…「下手くそがやるミス。実力不足」

[ 2023年1月28日 04:40 ]

10季ぶりに国内大会に出場した佐々木(撮影・武田 政樹)
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 今季から現役に復帰した冬季五輪4大会出場のアルペンスキー男子、佐々木明(41=ラッチ)が27日、阿寒湖畔スキー場で行われたチームレスキューカップ・第一建設カップの回転に出場し、1回目途中棄権に終わった。W杯下部のファーイースト杯を兼ねており、佐々木にとって10季ぶりの国内公式大会出場だった。14年ソチ五輪後に一線を退き、3大会ぶりとなる26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を目指している。

 アルペン界のレジェンドが、13年3月の全日本選手権以来となる国内の公式大会に姿を見せた。24番でスタートすると会場からどよめきが起きる。最初の急斜面はクリア。しかし、後半の急斜面で旗門不通過となった。

 「下手くそがやるミス。実力不足です」と悔しさをにじませた佐々木。それと同時に、「どんな滑りをするか(見る人は)楽しかったのでは。俺の仕事は結果を出すだけではなく、刺激を与えること。この挑戦が日本スキー界の未来にも懸かっている」と冷静に自らの立ち位置を語った。

 昨年8月に南米で8年5カ月ぶりに復帰し、初戦のアルゼンチン選手権から2連勝した。同12月には米国での練習で右肩のじん帯を断裂し、鎖骨を折る重傷を負ったが、痛みを抱えながら国際スキー連盟(FIS)公認レースに出場。今月17日にはスロベニアで2位に食い込んでいる。それでも「8年のブランクは数カ月で戻らない。1年目はとにかくレース感覚を養うこと」と言い、「感覚を戻すためには2本滑りたかった」と残念がった。

 14年ソチ五輪後から技術や道具は大きく変わったという。「全部が違う。振り幅も旗門の(間隔の)幅も違う。体の動かし方や体のつくり方も全くの別競技。世界が異次元の滑りをつくっている」と証言する。その中で26年五輪を目指し、「壁しかない。簡単ではないことは日本の誰よりも知っているが、もちろん本気です。(復帰に)勇気は必要だったが、人生一回ですからね」。クラウドファンディングで多くの支援も受け、期待を背に挑戦する。

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2023年1月28日のニュース