元白鵬・宮城野親方「体の一部がなくなったという寂しさ」「整理がつかない」涙でまげに別れ

[ 2023年1月28日 20:20 ]

断髪式の途中、涙を流す宮城野親方(元横綱・白鵬)=代表撮影
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 21年秋場所後に現役を引退した第69代横綱・白鵬の宮城野親方(37)の引退相撲が28日、東京・両国国技館で行われた。最後の取組、最後の土俵入りに続いて行われた断髪式には、横綱・照ノ富士(31=伊勢ケ浜部屋)ら角界関係者の他にも芸能界や政界などさまざまな分野の著名人が出席。約280人がはさみを入れ、まげとの別れを惜しんだ。

 断髪式の最後に、土俵上であいさつを終えた宮城野親方は土俵にひざまずいて額をつけ、涙を拭った。そのしぐさは、現役最後の一番となった21年名古屋場所千秋楽、照ノ富士との全勝決戦に臨む土俵下で見せたものと同じ。別れを告げる土俵に対する、最大の敬意と感謝の気持ちが表れていた。

 21年間ともに過ごしたまげとの別れに「体の一部がなくなったという寂しさがある」としみじみ。断髪式中は「一つ一つ思い出して気持ちの整理がつかない」と、かつてのライバルやお世話になった方々との思い出がよみがえり感情が高ぶった。同郷の元横綱・日馬富士からはさみを入れられると涙があふれた。「ズルい言葉を使ってきたんで思わずグッときました。同じ土俵で戦えて誇りに思います」。内容までは明かさなかったが、戦友からの言葉に心を揺さぶられた。

 注目された最後の土俵入りは、太刀持ちを大関・貴景勝(26=常盤山部屋)、露払いを関脇・豊昇龍(23=立浪部屋)が務めた。同親方が次世代を担うにふさわしいと指名したのは、看板力士の重責を果たして初場所優勝した大関と、同郷・モンゴル出身で「今一番期待の若手」と評する23歳。「叔父さんとの縁もありましたし」と、かつてのライバル・朝青龍のおいに角界の未来を託した。

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