大栄翔 平幕史上初!2差首位ターン、俵背負い窮地も「焦らず対応」

[ 2021年1月18日 05:30 ]

大相撲初場所8日目 ( 2021年1月17日    両国国技館 )

輝をとったりで破る大栄翔(右)
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 大栄翔が自身初のストレート給金を決めた。今場所初めて番付が下の力士との対戦となった輝戦は土俵際まで追い込まれたが、とったりで逆転勝利。正代が御嶽海に敗れたため、後続に2差をつけた。中日に平幕が2差をつけて単独首位に立つのは、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降では初めてとなった。

 今場所初めて平幕と対戦した大栄翔が、今場所初めて窮地に立った。得意の突き押しで攻めたが、身長1メートル93の輝のリーチは長く、喉輪で押し込まれ、俵を背負った。だが、そこから大栄翔の反応が速い。相手の左腕をつかんで、とったり。鮮やかな逆転勝ちで、19年秋場所の隠岐の海以来となる平幕のストレート給金を決めた。

 「焦らず対応できた。体が勝手に動いたが、ああいう相撲は良くない。見直してやっていきたい」

 実直な人柄を示すように勝って反省の弁が口をついた。それでも八角理事長(元横綱・北勝海)は「そう毎日、いい立ち合いはできない。土俵際で反応できるということは体が動いている」と評価し後半戦へ向け「いい立ち合いを心掛けること」とアドバイス。前半戦同様、迷いなく土俵に上がるよう促した。

 昨年秋場所後、土俵に手を付くだけで痛みが走り、引っ掛かるような感覚が消えなかった右腕の遊離軟骨の除去手術を受けた。術後は回復を妨げないよう、汗をかかないことを心掛け、四股やすり足の下半身強化に取り組んだ。その結果が「どんな相手にでも突き押し相撲ができるようになった」という成長につながっている。

 この日はその右腕をフル回転。相手を突き放したのも、とったりにいったのも右だった。平幕力士が中日に後続と2差以上で折り返すのは、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降初めて。三役との対戦はすでに終えた。埼玉県出身力士初の優勝は、じわりと視界に入ってきたはずだ。

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