天理大ラグビー部が1日警察署長 「コロナで市民や保護者に迷惑をかけた」

[ 2020年10月13日 13:15 ]

1日天理警察署長を務めた(右から)天理大ラグビー部の松岡大和主将、シオサイア・フィフィタ、松永拓朗  
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 関西大学ラグビーを4連覇中の天理大の主力3人が13日、1日天理警察署長に就任し、天理市内の金融機関を回る「特殊詐欺被害防止啓発活動」を行った。パトカーで各所に移動する前に取材に応じたフランカー松岡大和主将(4年)は「普段はできない貴重な経験。詐欺防止で天理警察署と地域に貢献したい」と背筋を伸ばした。

 8月末に寮で新型コロナウイルスの集団感染が起き、1カ月間活動停止になった。部員168人中62人が感染。学内外への影響も大きかった点から、SO松永拓朗(4年)は「コロナで市民や保護者の方に迷惑をかけたところがある。市民の方に貢献できるよう、頑張っていきたい」と11月7日開幕の秋のリーグ、その先にある全国大学選手権での活躍を誓った。CTBシオサイア・フィフィタ(4年)も出席した。

 大学生ラガーマンが1日警察署長を務める珍しい取り組みは、天理大の学生が以前から協力していた「防犯ボランティア」の延長線上で実現した。

 オレオレ詐欺、警察官などを名乗ってキャッシュカードをだまし取るような特殊詐欺が、天理署管轄内で1~9月に9件発生。被害額は5000万円に上る。昨年1年間に比べて既に被害件数で3件、額にして3800万円増えている。こうした経緯から天理署は今回の啓発活動に乗り出し、全国的な実績がある天理大ラグビー部を“顔役”にすることを決めた。

 8月にポスターを製作し、その後、クラスターが発生。9月中に終息宣言が出たことで、この日を迎えた。

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2020年10月13日のニュース