朝乃山 9年ぶり新大関ストレート給金「しっかり足が出て体も動いている」

[ 2020年7月27日 05:30 ]

大相撲7月場所8日目 ( 2020年7月26日    両国国技館 )

ストレート給金を決め、懸賞を手にする朝乃山(撮影・久冨木 修)
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 新大関・朝乃山が無傷の8連勝で勝ち越しを決めた。平幕・碧山のパワーに動じず、得意の右四つで寄り切り。11年九州場所の琴奨菊以来、約9年ぶりとなる新大関のストレート給金で、今場所の主役にふさわしい活躍を見せている。横綱・白鵬は平幕・輝をはたき込み、全勝は朝乃山と2人だけとなった。

 盤石だった。1メートル92、194キロの体格で幕内屈指のパワーを誇る碧山の重い突きに、朝乃山は一歩も下がらない。逆に攻め込んで右下手、左上手をつかんで寄り切った。「大きい相手に踏み込みで負けないよう意識して下から、いけた。しっかり足が出て、体も動いている」と自身初のストレート給金に納得の表情だ。土俵下で見守った藤島審判長(元大関・武双山)は「(下半身が安定して)押されない。日に日に強くなっている。このまま星を伸ばしそう」と手放しで絶賛した。

 新大関の初日からの8連勝は11年九州場所の琴奨菊以来、約9年ぶりで9人目。歴代最長の11連勝を記録した1937年春場所の双葉山と02年初場所の栃東、10連勝した59年九州場所の若羽黒はそのまま優勝した。朝乃山は、験のいいデータへと突っ走っている。

 故郷に元気を届けている。富山商相撲部コーチで、高校時代に朝乃山を指導した中村淳一郎さん(35)は「いい刺激を受けています」と話す。来月2日には高校総体の代替大会に臨む。同日は7月場所千秋楽。朝乃山が最後まで賜杯を争えば後輩に一層の奮起を促せる。中村さんは場所前に富山湾名産の白エビ、ホタルイカなど海産物を贈り、ハッパをかけた。「いい意味で新大関らしくない。どっしりしている」と後半戦も活躍を確信している。

 昨年5月の夏場所で優勝経験があるだけに、本人は横綱・白鵬とトップ並走の状況になっても冷静だ。「意識すると体が硬くなる。一日一番、自分の相撲を取りきれば結果はついてくる」。手応えをつかみ、勝負の後半戦に突入する。 

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