いつまで延期? 今秋、21年夏、22年夏の3案とも難題ばかり

[ 2020年3月24日 05:30 ]

史上初の五輪延期決定的

開花した桜と、台場の海上に浮かぶ五輪マークのモニュメント (撮影・白鳥 佳樹)
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 東京五輪延期の場合は(1)今秋(2)21年夏(3)22年夏の3つが開催時期の候補となる。ただし、いずれも実現へ向けた問題点は多い。

 【今秋】年内で可能性が高いのは10~11月だ。五輪憲章通りであれば東京五輪は20年内開催を規定。年内なら「会期変更」で済むが、来年以降の延期には五輪憲章改正が必要となる可能性がある。各競技の代表選考を継続できる可能性が高く、会場も撤収作業でこの時期まで借りているものが多く、対応可能。ただ、8万人のボランティアについて組織委幹部は「夏休みでないと集まらない」との懸念も示した。

 最大の問題は感染拡大が終息しているか微妙なこと。安全を保証できない状態でゴーサインは出せない。また、NBAやゴルフ、テニスなどのプロスポーツが開幕や終盤戦を迎え、有力選手の参加は難しくなる。NFLシーズンで五輪放映権を持つ米NBCテレビの反対も予想される。

【21年夏】各NOCや競技団体が推し、余裕を持って準備できるのがメリット。だが、7月後半に世界水泳(福岡)、8月上旬に世界陸上(米国)があるのは難点。代表選考もやり直しを迫られる可能性が高い。大会時約8000人となる組織委職員の雇用確保に追加経費もかかる。

 【22年夏】2月に冬季五輪、11月にサッカーW杯があるが、夏の開催へ向けた日程調整は難しくなさそう。ただし、新国立競技場など競技場の維持も含めた追加経費はばく大になる。23年春から入居開始予定の選手村はリフォーム作業も含めると、使えなくなる恐れがある。代表の再選考は必至で、スポンサーとの契約も見直しが必要になる。

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2020年3月24日のニュース