羽生 25歳誕生日の7日フリーで“決意の舞い”憧れの地で「“やったーっ!”て思えるように」

[ 2019年12月6日 05:30 ]

フィギュアGPファイナル開幕 ( 2019年12月5日    イタリア・トリノ )

気合の入った表情で練習に臨む羽生(撮影・長久保 豊)
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 フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルは5日、イタリア・トリノで開幕した。男子で14年ソチ、18年平昌五輪連覇の羽生結弦(24=ANA)は、25回目の誕生日を迎える7日のフリーで男女を通じて史上最多5度目の頂点を狙う。憧れのエフゲニー・プルシェンコ氏(37)が06年トリノ五輪金メダルを獲得した地で、世界王者のネーサン・チェン(20=米国)との直接対決にケリをつける。

 数多くの金字塔を打ち立てた羽生の新たな一章が始まる。フリーが行われる7日は、25回目の誕生日。記念すべき一年のスタートを最高の形で切るべく、勝負のリンクに立つ。羽生は4日の公式練習後、大一番で迎えるバースデーを歓迎した。

 「“やったーっ!”て思えるように。もうそれしか思い浮かばない。とりあえず心の底から“やったーっ!”と思えるような誕生日になっていれば、おのずと結果もついてきているのかな」

 羽生にとって24歳の一年は勝利への欲求を駆り立てられる日々だった。18年11月のロシア杯で右足首を負傷。今年3月の復帰戦の世界選手権ではチェンの圧倒的な演技に屈した。「負けは死も同然」――。あの敗戦は忘れない。そのリベンジのために汗を流してきた。ショートプログラム(SP)を控えた5日午前の公式練習ではライバルとともに滑り、2日連続で17年ロシア杯を最後に試合で封印してきた大技4回転ルッツに成功。機は熟した。

 負けられない理由がある。当時11歳で迎えた06年トリノ五輪。今大会と同じ会場パラベラで行われた祭典で圧勝したプルシェンコ氏の滑りに憧れを抱いた。誕生日のフリーで舞うのは、同氏の伝説的演目「ニジンスキーに捧ぐ」のオマージュとなる「Origin」だ。理想型を追求し、2季連続で舞う難関プログラム。「トリノといえば、プルシェンコ選手が金メダルを獲った場所。このプログラムとともにいい演技をして金メダルを獲れたら」。モチベーションを高めて、トリノに乗り込んでいた。

 ケガに泣かされ続け、3年ぶりに立つGPファイナルの舞台。勝利への渇望を満たしてくれるのは、前人未到の5度目の頂点だけだ。

 《男女とも最多Vは4回》GPファイナルの男子の最多優勝は羽生とプルシェンコの4回。女子もイリーナ・スルツカヤ(ロシア)の4回。羽生が5度目の優勝となれば、男女を通じて最多となる。

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