明大“田中改革”就任1年で結実 “伝統”と“悪習”見極めた

[ 2019年1月13日 05:30 ]

ラグビー第55回全国大学選手権決勝   明大22―17天理大 ( 2019年1月12日    秩父宮ラグビー場 )

フィフティーンに胴上げされる明大・田中監督(撮影・北條 貴史)
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 伝統と悪習。2つを見極め、良い物だけを残していくことが、21世紀に入って低迷期が続いたメイジ再生への第一歩だった。13年度に就任した丹羽政彦前監督は振り返る。「(就任当初)寮の廊下に紫紺のジャージーが転がっている。何だこれは、と」。当たり前のことを当たり前にやる。荒れていた土台を少しずつ整地し、昨年度に田中監督をヘッドコーチに招へい。本格的な改革が始まった。

 サントリーでディレクターやスカウトとして活躍していた田中監督は、9連覇した帝京大のチームづくりもつぶさに見てきた。下級生の負担を減らすために掃除などを上級生が行う取り組みを、明大にも導入。練習着の洗濯から解放された1年生は、練習に集中できる環境が整った。

 スマホのアプリを通じて、試合動画などを簡単に見られる環境を整えたのも田中監督だ。それまでは寮の分析部屋でしか見られなかったが、今は時間、場所問わず視聴し、選手間で頻繁に意見交換。2年のロック片倉は天理大のラインアウトを分析し3度のスチールへと導いた。

 昨年2月には、サントリー時代の恩師であるエディー・ジョーンズ氏が率いるイングランド代表と行動を共にするなど、今も学び続ける田中監督。「チームで大事なことは、文化をつくること」。平成の最後に、黄金期への土台を築き上げた。

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2019年1月13日のニュース