涙から5年…高橋大輔は88・52点でSP2位「今季一番感情を入れられた」

[ 2018年12月22日 20:08 ]

フィギュアスケート全日本選手権第2日 ( 2018年12月22日    大阪・東和薬品ラクタブドーム )

<全日本フィギュアスケート選手権第2日>男子SP、全日本の舞台に帰ってきた高橋大輔(撮影・小海途 良幹)
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 男子ショートプログラム(SP)で今季現役に復帰した高橋大輔(関大KFSC)が88・52点をマークし、2位につけた。

 演技後、高橋は「疲れました。緊張しました。スタートして(トリプル)アクセルを降りて冷静になれた。今季一番感情を入れられて悪くない演技が見せられた」と充実した表情で振り返った。

 13年12月22日のフリーから、ちょうど5年のこの日、高橋が全日本のリンクに帰ってきた。冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めると、3回転フリップ、トーループの連続ジャンプ、3回転ルッツも成功、スピンもミスなく、最後は華麗なステップで観衆を魅了。大きな歓声と拍手が降り注がれた。

 10年バンクーバー五輪で日本男子初の五輪表彰台となる銅メダルを獲得し、同年の世界選手権では日本男子初となる金メダルを獲得。女子に大きな注目が集まる時代から、男子をけん引し、そして明るい未来を切り開いてきた。

 6位に終わった14年ソチ五輪後の10月、現役引退を表明。アイスショーへの出演、留学など勝負のリンクを離れていたが、昨年の全日本で「それぞれの思いを持って滑る選手たちを見て、(結果だけを追求するのではなく)こういう戦い方も良いんじゃないかと思えるようになった」と復帰を決断した。

 もちろん、ここまでの道のりは平坦ではなかった。8月に左足内転筋肉離れを起こし、復帰戦の近畿選手権では思うような演技ができずに3位。だが、西日本選手権で合計スコアを一気に48・85点も伸ばして優勝し、5年ぶりの全日本に駒を進めた。

 今季は国際大会への出場がなく、世界選手権(3月、埼玉)の出場に必要な最低技術点(ミニマムポイント)をまだ満たしていないが、6年ぶりの表彰台に立てば代表の選考対象となる。「(フリーでは)思い切って、出し尽くした全力の姿を見せたい。(4回転挑戦は)本番までギリギリ悩んで決めたい」。フリーは24日。かつて世界を制した32歳が、圧倒的な存在感を見せつける。

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