村上 種目別・床で銅、連覇逃すも日本勢初の2大会連続表彰台

[ 2018年11月4日 05:30 ]

体操 世界選手権最終日 ( 2018年11月3日    カタール・ドーハ )

世界体操選手権最終日 女子種目別決勝 床運動を終え、同組の選手と抱き合う村上
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 種目別決勝の女子床運動で、村上茉愛(22=日体大)が13・866点で銅メダルを獲得した。14・933点で優勝したシモーン・バイルス(21=米国)には及ばず連覇は逃したが、同種目では日本初の2大会連続表彰台。銀メダルの個人総合に続き、今大会2個目のメダルを手に入れた。男子跳馬の白井健三(22=日体大)は14・675点で銅メダル。同鉄棒の内村航平(29=リンガーハット)は14・800点で銀メダルを獲得した。

 連覇には届かなくても、充実感が体を支配した。村上が「最強」と表現するバイルス不在だった昨年大会から1年。復帰してきた絶対女王には及ばなかったが、H難度の「シリバス(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)」を決めて2大会連続で表彰台を確保した。予選、団体決勝、個人総合と4種目ずつフルにこなし、今大会13種目目。力強く、華麗に舞って充実の大会を締めくくった。

 1日の個人総合では日本初の銀メダルを獲得。0・1点差で4位に終わり号泣した1年前の悔しさを晴らすと、「自分でつかみ取った銀メダル。このメダルは、かなり重要」と笑った。出発直前にはギックリ腰を発症しながら、長時間のフライトに耐え、応援に駆けつけた母の英子さんに試合後、輝く勲章をかけた。「まだ床があるからね、浮かれちゃダメだよ」と母に言われ、満足感を振り払って勝負のフロアに立っていた。

 7月下旬、段違い平行棒の練習で着地に失敗し、右足首に激痛が走った。「前距腓(きょひ)じん帯部分断裂」で、全治3カ月という重傷。これまで腰痛に苦しんだことはあったが、足首の故障は初めてだった。8月、母は松葉づえをついて歩く娘に会った。「足首の大きさが右と左で違うくらい腫れていた」と英子さん。「出られない」と娘に言われるのが怖くて、患部の状態を聞くのをためらうほどだったが、大舞台で躍動した。

 これまで国内大会のメダルや表彰状などは実家に送っていた村上だが、昨年の床運動の金メダルは自分で大切に保管。「世界大会のメダルは、やっぱり特別なんだと思う」と英子さんは言う。今大会でゲットした個人総合の銀と、床運動の銅もコレクションに加わった。女子のエースはメダルを積み重ね、最大目標の20年東京五輪へ進撃する。

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