炎鵬が名前に「晃」を選んだ理由 若くして他界した「心の師匠」

[ 2018年11月4日 10:45 ]

九州場所での活躍を誓った炎鵬
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 小兵、炎鵬晃。一番一番、すべてを出し切る相撲に魅了されるファンは多い。しこ名は兄弟子の横綱・白鵬に付けてもらったが、名前を本名の友哉ではなく、晃としたのには理由がある。地元・金沢市の道場で相撲を始めた炎鵬には当時、「師匠」と呼ぶ先輩がいた。

 「僕と同じぐらい小さくて、いつもじゃれ合うようにして相撲をしていました。僕のお手本であり、そこで基礎をつくりました」。

 自分よりも大柄な相手と勝負するにはどうすればいいか。炎鵬にとって相撲の“教科書”となった北晃さんは小学生で相撲から離れ、高校3年の時に事故で他界した。

 「3きょうだいで、妹が僕と同級生だったんです。小さ頃よく家に遊びに行ったりして。晃さんの後にお兄さんも亡くなられて、家族がすごく暗くなっていました」

 17年の入門前、北さんの墓前に手を合わせた。覚悟を決めてプロ入りし、炎鵬というしこ名をもらった時、「付けるなら晃だと。少しでも北さん家族の力になれたらと思いました」。画数的にも「晃の方がいい」という母の助言もあって名を決めた。「報告したら、北さんのご家族も喜んでくれました」。相撲を教えてくれた「心の師匠」。たくましく成長する炎鵬の相撲には師の魂が宿っている。(宗野 周介)

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2018年11月4日のニュース