栃ノ心10勝!来場所大関獲りへ 痛みに耐え自賛「よくやった」

[ 2018年3月26日 05:30 ]

大相撲春場所千秋楽   ○栃ノ心―逸ノ城● ( 2018年3月25日    エディオンアリーナ大阪 )

逸ノ城を寄り切りで破る栃ノ心
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 先場所優勝の関脇・栃ノ心が小結・逸ノ城を下して10勝目を挙げ、大関獲りの足固めに成功した。2場所連続の殊勲賞も受賞。大関昇進がかかる来場所へ弾みをつけた。14日目に4度目の優勝を決めた一人横綱の鶴竜は、大関・高安に取り直しの末に寄り切られ13勝2敗で終えた。高安は12勝目。夏場所は5月13日から東京・両国国技館で行われる。

 栃ノ心が逸ノ城を寄り切り、白星を2桁に乗せた。先場所は14勝1敗で初優勝しており、八角理事長(元横綱・北勝海)は「当然、来場所はそうなる」と、夏場所が大関獲りとなる認識を示した。

 「先に攻めると疲れる。先に攻めさせて、疲れさせてから行こうと思った」。215キロの幕内最重量の相手と、見応えのある右四つがっぷり。いったんつられて両足が浮いた瞬間は「負けた、と思った」。しかし、ここを懸命に踏ん張ると、上手を引きつけて逆襲。初場所を制した最も得意な形で、力と力の勝負の末に巨体を土俵の外へ運んだ。

 重圧のかかる優勝翌場所直前に左脚付け根の筋肉を痛めた。厳しい状況でも合格点の10勝を挙げ「よくやったと思う。惜しい相撲もあったし」と自賛した。優勝の鶴竜に土をつけ、2場所連続で殊勲賞。大関昇進の目安は直近3場所で33勝以上を挙げた三役だが、栃ノ心はここ2場所で計24勝。優勝した先場所も上位陣とは対戦しており、来場所の昇進の資格は十分ある。

 境川審判部長代理(元小結・両国)も「来場所大関獲りという声はでるでしょう」と明言。その一方で「9番と10番は違う」とも付け加えた。計算上は9勝でも33勝に到達するが、安定感も求められるのが大関の地位。10勝以上なら、昇進への障壁は少なくなる。勝負の5月へ「どこまで頑張れるか」。ジョージア出身初の大関誕生へ、期待が膨らむ夏が来る。

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2018年3月26日のニュース