沙羅連勝締め!最多更新55勝目 苦闘のシーズン「長かった」

[ 2018年3月26日 05:30 ]

ノルディックスキーW杯ジャンプ女子個人最終第15戦 ( 2018年3月25日    ドイツ・オーベルストドルフ、ヒルサイズ=HS106メートル )

ノルディックスキー・ジャンプ女子のW杯最終戦で優勝し、歴代単独最多の通算勝利数「55」を両手でつくる高梨
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 平昌五輪銅メダルの高梨沙羅(21=クラレ)が苦闘のシーズンを連勝で締めくくった。24日の第14戦で今季初勝利を挙げ、男女を通じてジャンプW杯歴代単独最多となる通算54勝に到達。最終戦でも優勝を飾り、記録をさらに伸ばす通算55勝目を挙げた。

 ♪しあわせは歩いてこない だから歩いてゆくんだね

 今大会は各選手が飛躍時に好きな楽曲を場内に流す演出があった。高梨の選曲は「三百六十五歩のマーチ」。コーチである父・寛也さん(50)の「好きな曲」を選んだ。

 「聴かせてあげられたらうれしいなと思って」と話した日、54勝の金字塔もついてきた。新記録目前で1年以上足踏みが続いたが、寛也さんから「54勝が全てではないよ」と言葉を掛けてもらい、気が楽になった。「焦って空回りしていた自分を止めてくれた言葉だったかな」と一歩下がることで二歩進めた。

 今季抜群の強さだったルンビ(ノルウェー)とアルトハウス(ドイツ)が伸び悩んだ2連戦で勝ち切った。「まさか今シーズン中に取れると思わなかった。凄く長かった」と言う54勝目は、これまでのように勝つべくして勝った優勝ではなかった。しかし最終戦でも再び優勝。「素直に喜べる55勝」とかつての女王が改めて存在感を示した。

 新たに総合女王に輝いたルンビは25日、高梨との2ショットを「世界で一番成功したジャンパーと記念写真」とSNSに投稿した。高梨は11年12月の初参戦から個人戦105戦で勝率5割以上。女子は初期と比べると、同じ台でも助走距離は短縮され、助走速度も抑制されたが、平均飛距離は伸びてきた。そうしたレベルアップを女王としてけん引してきただけに、その歩みは尊敬の対象でもある。

 来季も56、57と積み上げていった先に、目指すべき4年後の北京五輪金メダルはある。

 ♪人生はワン・ツー・パンチ 歩みを止めずに夢みよう 千里の道も一歩から はじまることを信じよう

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